DIOも倒せる? “クリーム”に“キラークイーン”…『ジョジョの奇妙な冒険』うまく使えば最強だったかもしれない「激ヤバスタンド」を考察してみたの画像
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 1986年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まった、荒木飛呂彦氏の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』には、個性豊かな能力を持つ敵キャラたちが数多く登場する。なかでも「時を止める」という圧倒的な能力(スタンド)で読者を驚愕させたのが、物語を通し“宿敵”として描かれるDIOだ。

 ほかとは一線を画す強力無比な存在のDIOだが、一方で「このキャラの能力なら勝てるのでは?」と、思わず“if”の展開を想像しうる強力なスタンド能力も多数登場している。

 今回は、完全無欠のDIOすら脅かしかねない、圧倒的なポテンシャルを秘めたスタンドについて考察していきたい。

■すべてを塵に変える“暗黒空間”の脅威…「クリーム」

 DIOといえばそのスタンド能力もさることながら、“吸血鬼”としての異常な身体能力、再生能力も実に驚異的だった。

 そのため、DIOに勝つためには文字通り、一瞬でその肉体を“消し飛ばす”ほどの、凄まじい攻撃が必須となるのだが、第3部にてDIOの配下として登場した、ヴァニラ・アイスのスタンド「クリーム」ならば、それが実現できるのではないだろうか。

 ヴァニラのスタンドは対象物を“暗黒空間”に飲み込むことで粉微塵にし、一瞬で消滅させてしまう。材質や強度にまるで関係なく問答無用で消滅させてしまうその力は、作中でも多くの仲間や命を奪い、読者を絶望のどん底に突き落とした。

 戦闘時はヴァニラ自身、この暗黒空間のなかに身を隠しているため、本体を叩く戦法を取りづらい点も実に困難。攻撃の軌道も読みづらいことから、対策を練らなければ一方的に肉体を消し飛ばされてしまうのだ。

 防御もできず、予測も難しいという、まさしく“一撃必殺”の能力なだけに、作品を通して彼に対処できるスタンド能力は非常に少ないといえる。

 作中ではDIOに陶酔しきっていたヴァニラだったが、彼が反旗を翻していたならば、物語の結末はまた変わったものになっていたかもしれない。……とはいえ、DIOもそれを見越して彼を抱き込んでいた可能性も考えられる。悪の帝王としてのDIOのカリスマ性の厄介さも、あらためて痛感せざるをえない。

■スタープラチナすら壊せなかった第二の爆弾…キラークイーン

 前述したようにDIOの肉体は並大抵の攻撃では破壊することができないため、彼に対抗するには一瞬で対象を消し飛ばす圧倒的な破壊能力が必須となってくる。

 これを“爆弾”の力で実現したのが、第4部にて主人公・東方仗助らと激戦を繰り広げた宿敵・吉良吉影のスタンド「キラークイーン」の能力だ。

 吉良は静かな暮らしを望む平凡な男のように見えて、実はその内に耐え難い“殺人衝動”を内包した危険な殺人犯だった。彼は“触れた物を爆弾に変える”スタンド「キラークイーン」により殺した人間を爆破し、証拠を隠滅してきた。

 対象を爆破する必殺の能力もさることながら、“第二の爆弾”こと「シアーハートアタック」も、その驚異的な特性で多くのキャラクターを苦しめた。

 この「シアーハートアタック」はスタンドの左手の甲から発射される小型の“戦車”のような爆弾で、対象の熱を感知することで自動的に追跡し、ターゲットを爆破する。

 その威力はもちろんのこと、この「シアーハートアタック」は、なんとDIOを倒した空条承太郎のスタンド「スタープラチナ」のラッシュにすら耐えきった、驚異的な耐久力を披露している。

 また、遠隔自動操縦型でもあるため、吉良本人がDIOから離れ、隠れたまま戦うことができるのも大きなメリットだろう。悪の帝王はいかにしてこの爆弾の追撃を逃れるのか……その結末が気になってしまう一戦だ。

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