■平成最後の女性ライダーが選んだ壮絶な犠牲『仮面ライダージオウ』ツクヨミ
シリーズ20作目、平成仮面ライダー最後の作品である『仮面ライダージオウ』。その最終話では、ツクヨミ(演:大幡しえりさん)の壮絶な死が描かれている。
ツクヨミはオーマジオウの誕生を阻止すべく、2068年の未来からやってきたレジスタンスの一人だ。しかしその正体は、時を司る一族の末裔であり、黒幕スウォルツの妹であったことが判明する。物語終盤ではスウォルツに一度は寝返るものの、最終話「2019:アポカリプス」で、その真意が明らかになった。
オーマジオウの力の一部を取り込み、自身の世界に帰ろうとするスウォルツ。彼の勝利かと思われたその瞬間、仮面ライダーツクヨミとなったツクヨミが光の刃でスウォルツの体を貫く。
「あなたのような王はいらない!」ツクヨミの意図ははじめからこの一撃のためにあったのだ。直後、スウォルツの反撃で吹き飛んでしまったツクヨミ。そしてそのスウォルツも、オーマジオウとなったソウゴによって倒される。
消えゆく刹那「ソウゴ…2つの世界をあなたに託す」という言葉を残し、ツクヨミは消滅。それと同時にソウゴの世界とツクヨミの世界が融合し、彼女の犠牲によって世界が救われたのだった。
本作は、この直前にゲイツもソウゴをかばい死んでいるため、初回からともに戦った仲間の2人が亡くなってしまうという悲劇的な最終回であった。
その一方、ラストシーンとなったオーマジオウの力によって創り直された世界では、ゲイツをはじめ皆が別の人生を歩んでいた。そこには楽しそうに学園生活を送るツクヨミの姿も描かれており、平成仮面ライダーシリーズを締めくくるにふさわしい、希望を感じさせるエンディングとなっていた。
今回紹介した女性キャラたちは非常に魅力的であり、ゆえにその死は視聴者に衝撃を与えた。さらに、それはただの死にとどまらず、物語においても重要な意味を持っており、その後の展開にかかわるものであった。
現在放送中の『仮面ライダーガヴ』では、シータの死が物語に今後どんな影響を及ぼすのだろうか。要注目だ。