毎年、京都の清水寺で発表される“今年の漢字”。さまざまな出来事が重なった2024年だったが、今年はオリンピックや政治問題など、さまざまな光と影を兼ね備えた「金(キン・かね)」の一字が選ばれた。
煌びやかかつ輝かしいイメージのある“金”だが、漫画やアニメにもこの“金”をデザインや能力に取り入れたキャラクターが多数登場している。
ときにド派手に、ときに神々しく……漫画・アニメの“金”がイメージカラーとなったキャラクターたちを見ていこう。
■“金”を自在に操り君臨する“黄金帝”…『ONE PIECE』ギルド・テゾーロ
数々の名作漫画を世に送り出してきた『週刊少年ジャンプ』(集英社)だが、1997年に連載開始され、長年にわたって読者を惹きつける国民的人気作といえば、尾田栄一郎氏の代表作『ONE PIECE』だろう。
本作において“金”にまつわる能力者が登場したのが、劇場版第13作目となる『ONE PIECE FILM GOLD』である。
タイトルにも、“金”を意味する単語が入った本作。舞台となる巨大船「グラン・テゾーロ」の金ピカっぷりもさることながら、やはり特筆すべきはそのオーナーとして登場する男、ギルド・テゾーロの能力だ。
“黄金帝”の二つ名を轟かせ、カジノ王として君臨するテゾーロ。彼は超人系の悪魔の実「ゴルゴルの実」の能力者である。能力は至ってシンプルで、触れた“金”を自由自在に操作できるというもの。彼が操作する“金”は鋼鉄以上の強度を誇り、高温にすら耐えうる凄まじい耐久力を発揮する。
攻守ともに隙がないだけでなく、なんとテゾーロは「グラン・テゾーロ」の入場者に“金粉”を振りかけ彼らの自由を奪えるような細工をしておくなど、狡猾な一面を見せた。
言わずもがな、“金”を操ることから彼の攻撃はとにかくド派手だ。金を腕に纏って殴りつけたり、味方に装甲のように纏わせ守備力を上げたりと、戦いのなかですらその煌びやかな輝きは観る者を魅了していた。
最終局面では、黄金を巨大な人型に形成し操る奥の手「ゴールデンテゾーロ」なる姿も披露。黄金の巨人があらゆるものを蹴散らす姿は、まさに圧巻の一言だ。
ド派手な見た目に圧倒的な実力と、まさしく“黄金帝”の名に恥じない活躍を見せたキャラクターである。
■“黄金の精神”を見せつける第5部主人公…『ジョジョの奇妙な冒険』ジョルノ・ジョバァーナ
同じく『週刊少年ジャンプ』にて1986年から連載を開始し、今もなお掲載誌を変え、新たな物語が描かれ続ける荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』。
部ごとに舞台となる時代や国が移り変わるのも特徴の本作において、“金”にまつわるキャラクターが活躍したのが、第5部「黄金の風」である。
舞台を現代のイタリアに移し、ギャングたちの抗争が描かれる第5部。なかでも主人公であるジョルノ・ジョバァーナは、とくに“金”のイメージが強いキャラクターである。
ジョルノは15歳という若さでありながら、幼いころに抱いた憧れを信じ、“ギャングスター”になるため組織の乗っ取りを画策し突き進んでいく。
整った中性的な顔立ちに美しい“金髪”が特徴のジョルノだが、やはりなんといっても特徴的なのは、“黄金”の名を冠するスタンド「ゴールド・エクスペリエンス」の存在だろう。
その名の通り、全身が“金色”をした人型のスタンドで、殴ったものに生命を与え、無機物から生物を生み出す能力を有する。生み出せるものは多岐にわたり、ツタやバナナといった植物、カエルや蛇といった動物まで自由自在。また、この能力を活用し仲間の傷を癒すなど、貴重な回復役としても活躍していた。
“金”が持つ派手さはもちろん、生命力を生み出す存在としての神々しさも感じる、実に洗練されたキャラクターデザインだといえるだろう。