■地球からの撤退を余儀なくされたオデッサでの敗北
ジオン軍は地球への直接侵攻を開始し、ジャブロー攻略のために北欧や北米など、さまざまな地域を支配していく。しかし、地球連邦軍の抵抗も激しく、モビルスーツの特性である機動性も重力下ではあまり活かせず、戦線は膠着した。
そうこうしているうちに、地球連邦もモビルスーツの実用化に成功。それがテレビアニメの第1話へとつながる。
そして11月には地球連邦軍の大規模反攻作戦「オデッサ作戦」が発令。欧州屈指の工業地帯や鉱山地帯のあるオデッサは地球連邦軍に奪還され、その後、地球にいるジオン軍は敗戦を重ねることとなる。11月30日には、悲願だったジャブロー侵攻を開始するも失敗に終わり、戦いの舞台は宇宙へと移った。
だがモビルスーツの大量生産を実現した地球連邦軍にジオン軍は劣勢に立たされ、一年戦争は終戦へと向かっていったのである。
地球での戦線膠着は連邦サイドに時間を与えることになり、その結果モビルスーツなどの量産を許す事態となった。そのうえジオンはオデッサ作戦で敗れたために地球侵攻の足掛かりを失い、貴重な資源の供給地まで手放したのだから状況は相当厳しかったはずだ。
結果的にオデッサの敗戦が、一年戦争の勝敗を左右する大きな契機になったとも考えられないだろうか。
『機動戦士ガンダム』で描かれた一年戦争のターニングポイントを振り返りながら、ジオン公国が勝利する可能性を探ってみた。やはり双方の国力差を考えると、ジオン公国は開戦1か月ほどが勝負の鍵を握っていたと思われ、ルウムでの圧勝後に早期講和がまとまらなかった以上、勝ち目はほとんどなかったのかもしれない。
ガンダム好きの皆さんは、一年戦争のターニングポイントはどこにあったと思うだろうか。