
鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、世界各地で愛されている作品のひとつだ。迫力満点のバトルやワクワクドキドキのストーリーには、誰もが引き込まれてしまう。
本作では敵キャラは単独行動をしている場合が多い。しかし、レッドリボン軍やフリーザ軍といったように、組織として活動している者たちもいる。
組織をまとめるリーダーにはさまざまなタイプがいるが、なかでも多くの読者に恐怖を与えた悪役であるフリーザは、意外にも「素晴らしいリーダー」として評価されてもいる。そこで今回は、リーダーとしてのフリーザについて振り返っていこう。
■暴力だけで世界を屈服させる力を持ちながら、しっかりと組織を運営
まずは、フリーザ軍がどのような組織となっているのかを見ていこう。フリーザ軍を簡単に説明すると、フリーザを頂点としてそれに従う者たちを自由に配置するような形となっている。
特に役職を与えるわけでもなく、いかにフリーザに対して貢献できるのかが重要なようだ。また、恐怖で無理やり部下を支配しているのかというと必ずしもそうではない。
そもそもフリーザの強さはあまりにも次元が違いすぎる。そのため相手としては、最初から絶対に敵わないと諦めの境地に至ってしまうのだろう。フリーザの部下で一番強いギニューの最大戦闘力が12万で、変身前のフリーザの戦闘力が53万という大差からもそれは分かる。
反逆を起こす気にもなれないほどの力量差があるからこそ、それならせめてフリーザに気に入られようと誰もが思うはずだ。
■恭順を誓った者に対しては基本的にはフラットな立ち位置
次に注目したいのが、フリーザのいろんなキャラへの接し方である。フリーザは相手と話す時は丁寧語で、冷静に話を進めていくのが基本のスタイルだ。
強いとつい粋がって上から目線で脅すような口調になってしまうキャラが多い中、そんなことをしないのが逆に恐ろしく感じる……。
また、部下が失態をしたとしても怒りにまかせて殺す真似は簡単にはしない。ザーボンがベジータの生死の確認を怠った時は、何が問題だったか的確に指摘したうえで名誉挽回の機会まで与えているのだ。
他にも部下が功績を上げた場合、手放しで褒めることもしている。ギニューがドラゴンボールをフリーザの前に持ってきた場面では、フリーザは「すばらしいですよ」「ギニュー特戦隊をよびよせたかいがありましたね」と惜しみない賞賛を送っていた。ギニューもそんなふうに言ってもらえて嬉しそうだった。
フリーザは誰に対してもそうしたスタンスで接しているので、その面では公平だといえるだろう。また、「フリーザさまに褒められたい!」という気持ちが芽生え、モチベーション向上にもつながるはずだ。