実は世界征服も可能?鳥山明『ドラゴンボール』レッドリボン軍が秘めた「恐るべきポテンシャル」の画像
DVD『DRAGON BALL』#9 ©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)には、世代を超えて愛される魅力がたくさん詰まっている。バトルの迫力はもちろんだが、世界観そのものにもどんどん引き込まれてしまう。

 本作では倒すべき悪役の存在がはっきりしており、悟空が困難の末に打ち破るからこそ読者もワクワクさせられる。

 そんな悪役の中でも珍しく、個人ではなく組織として活躍したのがレッドリボン軍だ。かなり大規模な組織で、時代が違えば世界征服も可能だったかもしれない。

 そこで今回はそんなレッドリボン軍を振り返り、その秘めたポテンシャルについて掘り下げていこう。

■軍事産業では敵なし?レッドリボン軍の軍事車両生産力

 レッドリボン軍についてまず注目したいのが、乗り物の製造技術と生産量だ。なんと全世界でシェア16%を誇り、作中で世界有数の大企業であるカプセルコーポレーションに次いで第2位である。彼らの活動のために必要な資金は、おもにここから来ているのだろう。

 とはいっても作中で出てくるレッドリボン軍の乗り物といえば、軍用飛行機や戦闘機、潜水艦などがあり、一般的に利用されないものばかり……。

 『ドラゴンボール』の世界では生身で戦うキャラが多いので、軍事に関する乗り物や装備なんて必要なの? と思う人も中にはいるかもしれない。しかし、作中には武装した軍隊も登場し、治安を守るために活動していた。

 セルが世界に向けて宣戦布告をした時には、軍人の大群や戦車、戦闘機などがセルを取り囲んだ。そこからも軍事産業が必要とされているのは明らかで、その分野でレッドリボン軍は高い需要があると考えられる。

 カプセルコーポレーションは、おもにエアカーやエアバイクといった空飛ぶ車両を生産しており、軍事車両を作ってほしいといわれてもなかなか難しいはずだ。そこからも軍事車両ではレッドリボン軍の右に出る会社はなく、戦争が起こった場合などは彼らの一人勝ちになると予想される。

 ちなみに、余談ではあるが『ドラゴンボール』にたくさんの軍用機が登場しているのは、作者である鳥山明さんの趣味が影響しているのは間違いない。ミリタリー好きを公言していた鳥山さんは、忙しい時間の合間を縫ってはプラモデルを制作していたようだ。プラモデルで有名なホビーメーカー・タミヤの情報誌・タミヤニュースにインタビュー記事も掲載されており、その熱の入れようがうかがえる。 

■高度な軍事技術を支えた創設メンバー

 科学技術という面で見ていくと、こちらもカプセルコーポレーションに負けていない。中でも創立メンバーであるドクター・ゲロは天才といっていいだろう。

 彼は兵器の開発をおこなっており、そこにはもちろん高度な科学技術が活かされることになる。中でも特に注目したいのが人造人間の開発だ。

 作中の描写を見てみると、まずはロボットから始まり、少しずつ進化しているのが分かる。初期のロボットと思われるものは、会話をしたり運転したりする程度の単純なものだ。それがメタリック軍曹や人造人間8号ともなると、見た目や動きはもちろん、思考すらも普通の人間と変わりがない。

 しかも、ロボットであるメタリック軍曹は電池がないと活動できず、そのせいで悟空に敗北したが、そんな弱点も16号以降の人造人間たちに関しては改善されている。電力無しでも半永久的に動けるようになっていたのだ。

 さらに16号や19号は無から生み出された人造人間というから驚きである。ドクター・ゲロがケタ外れの才能の持ち主であるのは明らかで、人造人間の設計図をブリーフ博士が見ても理解できないところが多いようだ。

 そして、その最高傑作といえるのがセルで、さまざまな細胞を取り込むことでそれぞれの必殺技や特殊な力まで使える戦士となっていた。まるで勝手に成長する化け物のようだ……。

 もしドクター・ゲロがそんな人造人間を大量生産できるようになっていたとしたら、もっと恐ろしいことになっていただろう。

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