■大物登場を予感させて、まさかの肩透かし…
最後に紹介するのは、やはり『ドラクエ7』に登場したボスモンスターの「バリクナジャ」だ。「残念ボス」と聞いて、コイツを思い浮かべたドラクエファンも多いのではないだろうか。
コスタール地方における事件の黒幕であり、部下モンスターの「ガマデウス」は、「おまんらが考えもつかぬようなごっつい大物」と持ち上げていた。
たしかにバリクナジャのやったことはえげつなく、コスタールの子どもたちを両親の目の前で魔物に変え、人間たちの苦しむ姿を見て楽しむという屈指の外道である。
そのバリクナジャと実際戦ってみると、これがビックリするほど弱い。攻撃パターンは通常攻撃、痛恨の一撃、じひびき、ベホイミの4種類しかなく、後半に戦うボスとしてはあまりにも貧弱だ。
そして後半のボスとしてはあるまじき、完全1回行動。ちなみに「じひびき」を放つ際のモーションが「なわとび」をしているようにしか見えないのも、なんだか切ない。
とどめに、ボスにもかかわらず状態異常の「もうどく」が効いてしまう始末。開発陣もさすがにこれは酷すぎると思ったのか、リメイク版では「もうどく」は効かなくなっていた(逆をいえば強化されたのはここだけ)。
このように悲しみを背負ったボスだったが、それをイジられすぎたせいか、最近では『ドラゴンクエスト モンスターズ』や『ドラゴンクエスト ウォーク』で出番をもらえているので、いつか「残念ボス」の汚名を返上する日が来るのかもしれない。
今回は歴代『ドラクエ』における、弱すぎて残念だったボスを振り返った。あらためて顔ぶれを見ると、弱かったことをネタにされ、なぜかスピンオフ作品に登場しているケースも多い。ゲーム中では弱かったかもしれないが、そのおかげでファンに愛されることになったのだろう。
皆さんがあっけなく倒してしまい、画面の前で「え…もう終わり?」と驚いたボスといえば、どんなボスモンスターを思い浮かべるだろうか。