■自分の生み出した配下により弱点に対応?
偉大なる航路後半の海“新世界”を、皇帝のごとく支配する4人の大海賊「四皇」。その一角を長く務めていたのが、“ビッグ・マム”こと「シャーロット・リンリン」だ。
超人(パラミシア)系悪魔の実「ソルソルの実」の能力者で、自身や他人の魂を操ることが可能。自分に恐怖した人間から魂を奪い、寿命を吸い取るという恐ろしい技を使用する。
また、奪った魂を無機物や食べ物に与えることで、「ホーミーズ」と呼ばれる意思を持った配下まで作り出せた。
作中では自身の縄張りであり、ひとつの国でもある「万国(トットランド)」全域にホーミーズが展開され、意思を持つ植物やお菓子、歌う船など不思議の国のような世界を作り出している。
ワノ国における決戦にて、カイドウと共闘してルフィらを迎え撃った際、アニメ版のビッグ・マムは鬼ヶ島から大きく吹き飛ばされて一度海まで落とされた。そのとき溺れている様子だったため、ビッグ・マム自身はカナヅチを解決できる力はないと思われる。
だがこの時、彼女の魂から作られたホーミーズの「プロメテウス」が、水分を苦手としているにもかかわらず飛び込んで救出するという連係プレイを見せた。つまり彼女の生み出したホーミーズがいる限り、彼女は海に落としてもすぐにはやられないということだ。
ほかにも漫画の880話では、巨大な高波を足場にして波乗りをしてサニー号を追いかける描写があった。このシーンを見たとき、ビッグ・マムは能力の弱点である海の波にまで魂を与えられるのかと思われた。
厳密にいえば、これは長男のペロスペローが能力で生み出した「アメウミウシ」の上に乗っており、そのアメウミウシに魂を入れることで波を発生させていたため、海を直接操ったわけではなかった。
それでもビッグ・マムは、他人の能力で生み出したものにまで魂を入れ、なおかつ超巨大な高波まで発生させられる。四皇の規格外の力があれば、弱点であるはずの海もそこまで怖くないのかもしれない。
悪魔の実の能力者といえば、海に嫌われ、泳げなくなるのが共通するデメリットのはず。しかし、特定の能力者によってはこれを間接的、部分的に克服できてしまうのだから驚きだ。
また、海といえば、ベガパンクによって驚きの情報が世界に伝えられたばかりだが、今後は能力者の「カナヅチ」という弱点そのものが、物語に影響する場面も訪れるのかもしれない。