■強烈なメッセージ性に圧倒される!志田未来&伊藤沙莉出演『女王の教室』
『女王の教室』(日本テレビ系)は2005年に放送されたドラマで、小学校を舞台とした異色の学園ドラマだ。高圧的な態度でクラスを支配する教師・阿久津真矢(天海祐希さん)が、独自のやり方で生徒たちの人生を大きく変えていくストーリーは、放送当時も大きな話題になった。
本作では、生徒の中の主人公的な立ち位置の神田和美役に志田未来さん、登場回数が多い田中桃役に伊藤沙莉さんと、いまでは実力派女優として知られる二人が出演している。
志田さんが演じた和美は、阿久津の理不尽とも思える教育方針に戸惑い、抗い、成長していくキャラだ。
第4話では、和美の心の強さが分かる名シーンがある。彼女は阿久津に負けないため、クラスメイトと協力しようとするも徐々に孤立していってしまう。両親も些細なことで言い争いをし、雨の中にかかわらず和美は家を飛び出す。そんな彼女の前に、阿久津が立っているのだった。
「いいかげん目覚めなさい。もうあなたの味方は誰もいないのよ」と阿久津は和美に告げる。さらに「私の言うことを大人しく聞いていれば、泣かなくて済むのに」と、精神的にボロボロの和美を懐柔しようとする。しかし和美は決意を固め、「私、泣きませんから。絶対泣きませんから」と言い放つ。
このシーンでは、本作のテーマともいえる「逆境に抗う強さ」を志田さんが見事に表現していた。強烈なメッセージ性を持つ作品の中でも、ひときわ輝く強さが印象的な名シーンだ。
本作に登場する天才子役はもう一人いる。それが、2024年の連続テレビ小説『虎に翼』で主演を務め、女優として大ブレイクを果たした伊藤さんだ。彼女が演じた桃は、時には人をいじめたり、阿久津の指導方針に逆らったりもする激しい気性の生徒だった。
伊藤さんの特徴といえばハスキーな声だが、彼女は本作でもその声を活かしつつ存在感を放っている。最終回では「自分の人生ぐらい自分で責任を持てって言われて目が覚めました」と涙ながらの演技を見せ、強い印象を残した。
他にも、いまでも女優として活躍する福田麻由子さんや夏帆さんなども出演しており、そのメッセージ性も含め、改めて観返しても楽しめる作品となっている。
学園ドラマやホームドラマでは、出演する子役たちの演技が強く印象に残ることも多い。そして中には、そうした天才子役と言われていた俳優が、のちに主演級の俳優として大成するケースもある。
神木さんや井上さんなど、人気俳優の天才子役と呼ばれた時代の演技を見ると、その演技力が当時から凄まじかったことがよくわかるはずだ。