■そこから導き出される重要人物は誰なのか
現時点で判明している非能力者で覇王色持ちの実力者は、決して数が多いわけではないが、それでも複数人存在する。その中で誰が重要な立ち位置になりそうなのかを考えると、さらに絞る必要があるだろう。
その筆頭に挙げられるのは、やはり現四皇のシャンクスだろう。白ひげ存命の時点での四皇はカイドウ、ビッグ・マムとシャンクス以外は全員能力者だった。そして世代が変わった現在の四皇も、ルフィ、バギー、黒ひげと、シャンクス以外の全員が能力者という顔ぶれである。
シャンクスの戦闘描写は少ないものの、キッドに対してロジャーと同じ覇王色の覇気を用いた技「神避(かむさり)」を使用するなど、覇王色の覇気の扱いは現四皇の中でも抜きん出ている。
そもそもシャンクスは新米時代にロジャー海賊団に属した過去もあり、ラフテルへ行ったロジャーとは近しい関係だった。もしかすると、ロジャーから何か情報を得た上で、非能力者を貫いている可能性だって考えられる。
そして、現役で海賊王を目指している海賊団の中で、最近になって覇王色持ちらしき描写が描かれたゾロも、同様の立場にいるのではないだろうか。ルフィの最初の仲間で副船長という立場からして、ロジャー海賊団におけるレイリーと共通する部分もある。
なにより、最近になって百獣海賊団やカイドウ、キングとの戦いの中で覇王色の覇気を覚醒させたらしきシーンが描かれているため、ますますレイリーのポジションに近づいた印象を持った読者は多いことだろう。
ロジャー海賊団の一員だったシャンクスと、ロジャーの右腕だったレイリーと酷似しているゾロ。両者ともに「海賊王ロジャー」という共通点が見え隠れするのは単なる偶然なのだろうか。
物語が最終章に突入して以降、悪魔の実の情報が多く明かされるなか、非能力者の重要性はにわかに増しつつあるように思える。その最大の理由は、海賊王となったロジャーが悪魔の実の能力者ではなかったことだが、ベガパンクが明かした「世界の真実」もそれを後押ししているようにも感じられる。今後、彼らの動向にも注目しておきたいところだ。