
近年の日本映画では、ハリウッドに負けず劣らずのアクションシーンも珍しくなくなっている。そのなかでもひときわ目立つ存在が、驚異的な身体能力を見せたり、完成度の高い殺陣を見事に演じたりと、激しいアクションシーンを披露する美しい女優たちだ。
特に漫画の実写化では現実離れしたアクションの再現に挑むことも多く、女優たちのキレキレの動きは作品の見どころとなっている。そこで今回は、実写化作品で驚きの殺陣シーンを見せた女優たちを振り返っていこう。
■神谷活心流の師範代を演じた『るろうに剣心』の武井咲
『るろうに剣心』は、和月伸宏さんの『るろうに剣心 ー明治剣客浪漫譚ー』を原作とした実写映画だ。全5作品も制作された大人気シリーズである本作の最大の見どころといえば、主演の佐藤健さんをはじめとしたキャストが見せるアクションシーンだろう。
本作でヒロイン・神谷薫を演じたのは、武井咲さん。薫は剣術道場の師範代で、美しいだけでなく、剣士としてもしっかりとした実力があるキャラクターである。主人公・緋村剣心と徐々に絆を深めていく立ち位置にあり、戦闘シーンのイメージはあまりないかもしれない。しかし、実は実写映画第1弾『るろうに剣心』では、かなり激しいアクションシーンがある。
それは、ストーリーの序盤でのこと。薫は自分の流派の名をかたって辻斬りをする者を探していたが、そんなある日、血まみれの刀を持つ怪しい男に声をかける。その男こそが「黒笠」という異名で知られる人斬り・鵜堂刃衛だった。
薫は「何の目的で神谷活心流の名をかたって悪事を働くか」と、勇ましく木刀を構えた。しかし、刃衛に斬りかかってもあっさりと避けられ、足を払われて地面にたたきつけられてしまう……。砂まみれになり、もう少しで殺される寸前まで追い詰められていた。
スタイル抜群で美しい武井さんが、吉川晃司さん演じる大柄な刃衛に容赦なくたたきのめされるシーンは、かなり衝撃的だ。木刀を振るときにも躊躇いなく振り下ろしていて、このシーンについては「殺陣って紙一重でとても危険なものなんです」と語りつつも「刃衛役の吉川さんがドンと構えてくださったので、安心して撮影に臨むことができました」と共演者への信頼も口にしていた。
その後のシリーズではアクションシーンは減っているが、序盤に見せた剣士らしい美しく勇ましい姿には思わず魅了されてしまう。
■人間離れしたスピードを再現!『キングダム』の清野菜名
山﨑賢人さんが主演を務める実写映画『キングダム』シリーズ。本作は、山﨑さんがニューヨーク・アジアン映画祭で「The Best from the East Award」を受賞するなど、国際的な評価も獲得した。
本作の第2弾『 遥かなる大地へ』では、原作の大人気キャラ・羌瘣が登場し、彼女を演じる清野菜名さんがアクションに挑んでいる。
清野さんは『TOKYO TRIBE』や『東京無国籍少女』でも見事なアクションシーンを披露した実力派女優だ。そんな彼女が演じた羌瘣は、「巫舞」という特殊なスタイルを使いこなす凄腕の戦士で、スピード感のある動きが要求される難役だった。
『遥かなる大地へ』では、魏兵に囲まれる中「トーン タンタン」というリズムで人間離れしたスピードを見せた羌瘣。ここのアクションがとにかく「かっこいい」の一言で、清野さんの身体能力の高さがうかがえた。
このアクションシーンについて清野さんは、インスタグラムで「修行した3か月、大変だったけど、髪もボサボサになったけど、みんなで頑張ってよかった」と、3か月に及ぶアクショントレーニングをしたと明かしていた。
また第3弾『運命の炎』では、吉川晃司さん演じる龐煖を背後から奇襲したり、数多くの兵士をなぎ倒したりしている。舞うように敵を倒していく美しい戦闘シーンは、原作ファンをも納得させる圧巻の仕上がりだった。