■本作屈指のスプラッター描写!? スポポビッチ苦しみながらの破裂
手榴弾で自爆した白桃桃やベジータに処刑されたナッパなど、本作は爆発やエネルギー波によって倒される敵は少なくない。しかし、スポポビッチの爆発死亡シーンはちょっと怖さのレベルが違っていた。
コミックス38巻。天下一武道会で悟飯のエネルギーを奪ったヤムーとスポポビッチは、ボスであるバビディのアジトまで戻ってきた。しかし、現れたバビディは「これでもう おまえたちは御用済みだよ」と言うとキッと目を見開く。すると次の瞬間、「うがあっ……!!!」「く……くごごごご…!!!」と、スポポビッチが激しく苦しみ出した。
目玉は今にも飛び出そうなくらい突き出しており、血管の浮き出た体は風船のように膨れ上がる。そして最後には「ボンッ」と爆散してしまった。ちなみにアニメ版では色も描かれており、青色っぽい鼻血まで出しながら苦しんでいた様子がさらに衝撃的だった。
先にも紹介したが、本作はその作品の性質上、爆散するキャラはそれなりにいる。しかし、その多くは一瞬でカタがつくものばかりだ。しかしスポポビッチの死亡シーンはそれらとは異なり、爆発までの時間と苦しみがあった。ゆえに、非常に痛々しく生々しい描写となっている。
さらに、スポポビッチの無惨な最期を見て一目散に逃げ出す相方のヤムーだが、こちらもバビディの部下プイプイによって殺されてしまった。命令をこなしてきた部下ですらあっさりと殺すような非情な奴ら……今回の敵も危険な相手だと思わせるシーンとなっていた。
今回紹介したものは、本作において異質の恐怖描写である。しかし、それは単なる恐怖だけにとどまらず、新たな敵の凶暴さや不気味さが増す象徴的なシーンになっていたように感じる。
面白いストーリー展開はもちろん、激しいバトル模様にギャグ、さらに恐怖もうまく使って、鳥山さんは『ドラゴンボール』という最高の作品を作り上げていたのだ。