2025年4月新作劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』公開決定! コナンがまさかの「推理ミス」をしたレアエピソードを振り返るの画像
『名探偵コナン 隻眼の残像』2025年4月18日公開(C)2025 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 1994年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載が始まった、青山剛昌氏のミステリー漫画『名探偵コナン』(小学館) は、今年で連載30周年を迎えた。

 本作に登場する「江戸川コナン」は主人公・工藤新一が小学一年生となった姿であり、その天才的な推理力で数々の難事件を解決してきた。しかし、本作の長い歴史のなか、そんなコナンでも“推理ミス”をしてしまっていたことがあるのをご存じだろうか。

 そこで今回は、コナンが勘違いや思い込みで間違った結論に至ってしまった珍しいエピソードを厳選して紹介したい。天才探偵が珍しく見落とした部分を見つめながら、『名探偵コナン』の魅力を再発見していこう。

■誘拐犯だと誤解… 第9巻「歩美ちゃん誘拐事件」

 まずは、コミックス第9巻「歩美ちゃん誘拐事件」のエピソードから。

 公園でかくれんぼを楽しんでいたコナンたち少年探偵団。ところが吉田歩美は公園脇に駐まっていた車のトランクに隠れてしまい、なんとそのまま車は発進してしまう。

 時間がたっても歩美を見つけることができず心配したコナンたちは、探偵バッジのトランシーバー機能で通信を試みると返答が。歩美は隠れたトランクの毛布にくるまり、寝てしまっていたのだった。

 だが歩美は暗いトランク内で、紙袋いっぱいの札束や、ヌルヌルとした“何か”がついているノコギリ、さらに血だらけの生首を発見してしまう。

 最近発生していた少女連続誘拐殺人犯の車に違いないと推理したコナンは、小嶋元太、円谷光彦とともにターボエンジン付きのスケートボードで車を追跡する。その際、車内から「オレ達の顔を見られたんだ… 生かしておけるか… それがたとえガキでもな…」など物騒な会話が聞こえてきたことで、さらに犯人への確信を強めていった。

 そこからコナンは優れた推理力を発揮し、犯人のセリフなどから居場所を特定。キック力増強シューズを使って犯人を見事に倒し、無事に歩美を助け出した。

 ……だが、この男たち、実は誘拐犯ではなくただの劇団員であった。トランクにあった札束は新聞紙、生首は作り物……サスペンス劇の単なる小道具に過ぎなかった。そして物騒な会話の内容も、劇中のセリフを練習していただけであったという。

 無実の人間を誘拐犯だと思い込む大失態をしでかしてしまったコナン。コナンのキックでのびてしまった劇団員、壊れた小道具の生首の代役で、少年探偵団は“代役”として舞台に上げられてしまうというオチつきだった。

 普段は冷静なコナンが勘違いしてしまった珍しい回だと言える。

■父・優作に完敗…第14巻「追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件[2]」

 コミックス第14巻「追いつめられた名探偵! 連続2大殺人事件[2]」では、コナンの母親・工藤有希子の幼なじみがかかわる遺産相続を巡る殺人事件が発生する。

 いつものように着実に推理を進めたコナンは、ブラジルから突然舞い戻ってきた有希子の幼なじみの叔父・藪内義房を犯人だと断定。山村刑事を時計型麻酔銃で眠らせ、義房が“正当防衛で被害者を殺した”という線で推理を進めていた。

 事件関係者の前で謎解きをし「白状してくれますよね 義房さん?」と問い詰めたところで、「まだまだ甘いな…」と割って入ったのは、突然現れたコナン(新一)の父・工藤優作だった。

 優作はコナンの推理の甘さを一刀両断。そしてコナンが叔父だと思っていた義房の本当の正体や、ブラジルから戻ってきた理由、死体を井戸に隠した理由など、今回の事件の重要ポイントの謎解きを鮮やかにおこなった。

 惜しくも事件の核心に迫りきれなかったコナン。「まだまだ 観察力が足りん様だね 新一君?」と、優作に諭され悔しそうにしていたが、偉大な父にはまだまだ及ばないところがあるのだろう。

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