ザクレロにZガンダム、ザクIII改も…「えっ、そんな設定あった!?」ガンダム作品で目撃された「得体のしれない超常現象」の画像
「HGUC 1/144 AMX-001ザクIII改」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 戦争をテーマにした『機動戦士ガンダム』シリーズは、単純な勧善懲悪ではないリアルなヒューマンドラマも魅力のひとつ。とはいえ、モビルスーツ(MS)やスペースコロニーの存在など、現実ではありえないような超技術もたくさん登場する。

 実は、そんなテクノロジーがギッシリ詰まった本シリーズにおいて、どういう理屈で発現したのかまったく分からないような超常現象も多数描かれている。

 そこで今回は宇宙世紀シリーズに絞って、得体の知れない超常現象をピックアップし、その描写が生まれた理由を考察してみたい。

■どんな理屈でビームを弾いたのか

 最初に紹介するのは、『機動戦士ガンダム』に登場したザクレロ。口を大きく開けた怪物のようなデザインが特徴的なジオン公国軍のモビルアーマー(MA)だ。おもな武装として2本のヒートナタと拡散ビーム砲、4連装ミサイルランチャーを備える。

 第32話「強行突破作戦」に登場し、ガンダム、ガンタンクを相手に単機で戦闘をしかける。善戦するものの直線的な動きをアムロに読まれ、エンジンをビームサーベルで貫かれて爆散。アニメでは前半パートだけで敗北しているため、特徴的なデザインとは裏腹に性能面は印象に残りづらい結果に終わった。

 しかし、この短い戦闘中に不可解な現象が起きている。ザクレロは、ガンダムが放ったビームライフルを当たり前のように弾いていたのだ。ザクレロの機体スペックを調べたかぎり、Iフィールド・バリアのようなビームバリアや特殊な装甲が採用されているわけではない様子。

 完全に謎な現象ではあるが、身もフタもないことをいうと、当時の設定が曖昧だった説も考えられる。

 だが、あえてビームライフルを弾いた理由を深読みしてみたい。ザクレロは拡散ビーム砲を搭載しているので、広範囲にビームが届く。その被害を受けないように耐ビームコーティング処理が施されていた……というのはどうだろうか。

 ジオン公国軍で耐ビームコーティングを初めて施したのはゲルググのシールドといわれている。時期的にはゲルググがロールアウトする少し前にザクレロが登場しているため、試作機であるザクレロに耐ビームコーティングが採用していても不思議ではないだろう。

 ただし前述したとおり、どの資料にもそんな記載は見当たらないので、かなり強引な推論ではある……。

■ビームサーベルが巨大化! 逃げる敵を一刀両断

『機動戦士Zガンダム』の主人公機、Zガンダムはオカルトチックな描写が多いことでも有名だ。特に終盤では、死者の力を借りたり、相手の機体のコントロールを奪ったりと、かなりやりたい放題。そんななかで、第49話「生命散って」に描かれたビームサーベルの巨大化現象について振り返りたい。

 次々と人が死んでいく最終決戦で、ティターンズのヤザンとエゥーゴのカミーユが激突。戦闘を楽しんでいたヤザンに対してカミーユが激怒し、ヤザンが駆るハンブラビのビーム攻撃を弾くなど、さっそく超常的な力を発揮しはじめる。

 謎の光に包まれたZガンダムの不気味さに恐怖を感じたヤザンは逃亡を図るが、カミーユはありえないほどにビームサーベルを巨大化させ、ハンブラビを一刀両断して決着をつけた。

 その意味不明な現象に「今のなに?」と感じた視聴者も少なくないだろう。この謎現象は、Zガンダムに搭載されたバイオセンサーと、カミーユの高いニュータイプ能力が引き起こしたものと言われている。実際、カミーユの思念がその攻撃に影響しているような描写があるので、あり得ない話ではない。

 というより、後半のたたみかけるようにZガンダムが引き起こす不可解な現象を見る限り、そうとしか説明がつかないといったほうが正しいのかもしれない。

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