鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、迫力の戦闘シーンが魅力のバトル漫画だ。
もちろん本作は、戦闘シーンばかりではなく世界観や設定も奥が深くて面白い。そんな中、ブルマの父親のブリーフ博士が経営するカプセルコーポレーションの存在は大きい。現実では不可能なことを次々と可能にしており、その発明品にはワクワクさせられたものだ。
そこで今回は、『ドラゴンボール』の世界に不可欠な会社であるカプセルコーポレーションについて詳しく解説をしていきたい。
■天才科学者・ブリーフ博士が設立した会社
まずは、カプセルコーポレーションがどのような企業なのかを見ていこう。この企業の創始者はブリーフ博士という天才発明家だ。
ブリーフ博士が発明した中でも特に画期的なのがホイポイカプセルである。これは、あらゆるものをカプセル状にして持ち運べるという、驚きの発明品だ。
小さいものから大きいものまでカプセルに収納することが可能で、家までも自在に運べるので、かなり便利なアイテムといえる。実際、悟空とブルマの旅でもこのアイテムは非常に役に立っていた。
ブリーフ博士はホイポイカプセルをはじめとした数々の発明によって、一代で富を築き上げ、何不自由のない暮らしをしている。しかし、彼は金持ちになったからといって満足するわけではない。精力的に発明を繰り返し、かつて悟空が乗ってきた宇宙船を改造して、人工重力装置まで取り付けている。この重力装置によって悟空は、宇宙船で移動しながら修行ができる環境を得た。
この重力装置は後にもかなり役立っている。人造人間・セル編ではベジータに頼まれ、300倍の重力装置を作っていた。並の人間なら押しつぶされてしまう状況もサイヤ人にとっては絶好の修行場というわけだ。
おかげでベジータだけではなく、その息子(自身の孫)のトランクスまでも自宅にいながら強くなることができた。まさかあのベジータが地球の科学に頼って修行をするとは、当初は誰も想像がつかなかっただろう……。
■娘のブルマも優秀な発明家
ブリーフ博士が優れた発明家なのはホイポイカプセルから分かったと思うが、娘のブルマはそれ以上の発明家かもしれない。
まず驚かされたのがドラゴンレーダーの発明である。ドラゴンボールの場所をいとも簡単に探し出せるこのアイテムは、作中で何度も利用されることになった。しかもこのレーダーをブルマは16歳という若さで発明したから驚きだ……。
アラレちゃんを作った天才発明家・則巻千兵衛ですら、このレーダーがどのようにできているのか理解できなかった。さらに、ブルマのメカに関する技術はそれだけではない。
彼女はラディッツが持っていたスカウターを直して使用してみたり、神様がかつて乗ってきた宇宙船も直したりしている。宇宙人が発明した不可解なものまでも解明することができてしまうのだ。他にも未来を変えるためにタイムマシンまで作り上げていた。
個人的にスゴいと思った発明はミクロバンドだ。腕時計の形をしているこのバンドは、身につけてボタンを押すだけで自身の体を一瞬で小さくできる。移動の際、自らを小さくして持ち運びやすくするという目的で開発された。
亀仙人はこれを悪用してトイレを覗こうとしたが、うっかり便器に落ちてしまい流されてしまう……。なんともお粗末な使い方である。それ以降このアイテムは登場しなくなったから残念だ。