■愛する人との別れも…
戦いの舞台は地球に移り、次にジェリドは新たな相棒であり、恋人でもあった「マウアー・ファラオ」とともに可変MS「ガブスレイ」を受領する。
同機は、まるで昆虫のようなMA形態への変形を可能とし、通常のビームライフルより強力な「フェダーイン・ライフル」を装備。ジェリドはこれまでのMSよりさらに高性能な機体を手にする。
劇中でもマウアーとのコンビで、カミーユを撃破寸前まで追い込むが、援軍が訪れたことにより、またもや復讐の機会を失うのだった。
そして第30話では、カミーユのZガンダムによってジェリド機が撃破されそうになるが、マウアーのガブスレイが盾となり、彼女は宇宙に散る。こうしてジェリドは、三度も大切な人を失った。
続くティターンズの「キリマンジャロ基地」を巡る攻防戦では、ジェリドは6機目の機体となる「バイアラン」で出撃。「バイアラン」は人型のまま飛行を可能にした実験的な機体だが、航続距離が短いといった課題も抱えていた。
この攻防戦には、カミーユと心を交わしたティターンズの強化人間「フォウ・ムラサメ」も参戦しており、カミーユは戦いをやめるよう説得を試みる。
しかし、復讐に燃えるジェリドのバイアランの攻撃からカミーユを守るため、フォウは身代わりとなってその命を散らす。こうしてカミーユとジェリドは、互いに愛する者を討つかたちとなってしまった。
そしてジェリドの最後の乗機となったのは、ニュータイプ専用の試作型可変モビルアーマー「バウンド・ドック」である。この機体で因縁のカミーユに戦いを挑むが、ニュータイプとしての真価を発揮しはじめていたカミーユのZガンダムにより、あっさりと撃ち抜かれてしまう。
そのまま近くにいた戦艦「ラーディッシュ」の轟沈に巻き込まれるかたちで、バウンド・ドックは誘爆。今際のきわにジェリドは「カミーユ、貴様は俺の……」と言い放つが、その言葉の途中で機体は爆散した。
なお、そのジェリドの言葉の続きは「すべてを奪った!」であることを、富野由悠季監督が明かしている。
このようにティターンズのジェリドは、7機もの機体を乗り継いだ異例のパイロットといえるだろう。それは何度も死地を切り抜け、歴戦のパイロットとしてしぶとさを示した証ともいえる。
最後の無惨なヤラれっぷりに同情されることも多いが、「最高のニュータイプ」と称されるカミーユ・ビダンに果敢にも挑んだジェリド・メサという男の魅力を、片鱗だけでも思い出してもらえたら幸いだ。