■魔人ブウを倒したのは? 世界のヒーローといえばやっぱりこの人「ミスター・サタン」
原作漫画におけるラスボス・魔人ブウ。宇宙征服を企む魔導師バビディによって復活したブウは、作中屈指の厄介な強敵だった。
その実力は地球の戦士たちを遥かに凌いでおり、誰もブウを止めることができない。そしてブウは、たった1日あまりで地球の人や町の8割ほど消滅させてしまった。
ここで登場したのが、ミスター・サタンだ。討伐のためにブウに近づくのだが、その後、ブウに気に入られ仲良くなってしまう。当初子どものように純粋な心を持っていたブウは、人殺しや破壊行為はしないようにサタンに提案されると「じゃあやめた」と約束するほど信頼している様子だった。
だが、その後、愛でていた子犬やサタンが悪党たちに傷つけられたことをきっかけに、ブウは“純粋悪のブウ”と“無邪気なブウ”に分裂。さらに純粋悪のブウは無邪気なブウを吸収し、最終的に最も純粋悪の魔人ブウが誕生してしまう。
超サイヤ人3に変身した悟空でも手に負えないほどの強さとなった魔人ブウ。最終的にベジータの提案で、悟空は地球人みんなの元気を集めた“特大元気玉”を用意することとなる。
界王さまの力を使って地球人たちに交信するベジータや悟空だったが、いくら頼んでも、その声を怪しんだ地球人たちは協力してくれない。その姿を見ていたサタンは憤り、“さっさと協力しないか”と一喝。すると、世界的に有名な彼の言葉に地球上の元気が集まり、ブウを消滅させることに成功した。
この時、時間稼ぎのためブウと戦い力尽きたベジータも救出しているサタン。やはり「魔人ブウ編」でのMVPは、間違いなくサタンだったといえるだろう。彼がいなかったら、最初の善の魔人ブウによって人類が消滅していたのかもしれない。
言うまでもないが、『ドラゴンボール』の主人公は孫悟空である。しかし、意外なところでMVP級の活躍を見せているキャラクターの存在が、本作の面白さをより引き立てていたように思う。
そういえば「人造人間・セル編」で、16号の頭を悟飯の元へ放り投げたのもミスター・サタンだった。実は地球の平和に欠かせない存在といえるだろう。さすがヒーローだ。