『ONE PIECE(ワンピース)』では、海賊をはじめとして海軍、世界政府、革命軍など、さまざまな勢力のキャラが登場する。四皇、海軍大将など、世界最高峰の実力者たちも大方出そろい「最強キャラは誰か?」という議論は尽きない。
そんな中で、戦闘シーンがほとんど描かれていなかったり、あまりにも出番が少なかったりするため、はっきりとした強さは未知数ながら、明らかに実力がありそうなキャラもいる。
そこで今回は『ONE PIECE』における、実力は未知数ながら「陰の実力者」たりうるキャラクターを見ていこう。
■作者お墨付きの強さ! ビッグマム海賊団のスイート三将星「シャーロット・スムージー」
元四皇の“ビッグ・マム”が率いる「ビッグ・マム海賊団」における、最高幹部“スイート三将星”の一角を担うのが、シャーロット・スムージーだ。
多種多様な種族が存在するビッグ・マムの子どもらしく「足長族のハーフ」という出自で、懸賞金は9億3200万ベリーと、同じ三将星のカタクリに迫る金額がかけられている。
彼女が有する能力は「シボシボの実」。人や物を雑巾のように絞って水分を抜き取れる「脱水人間」で、生物から水分を抜き取ると干からびたミイラのような外見となる。生物に限らず、溶岩など水気が存在しない物からも絞り出すことが可能だ。
水分を抜き取って干からびさせるという点は、クロコダイルの「スナスナの実」の能力と似ている。しかし、スナスナの実は単に水分を奪い取るだけなのに対し、シボシボの実は抜き取った水分まで自在に操れる。
搾り取った水分を自分の体や武器の大剣に吸収し、貯蓄することも可能で、そのぶん体や武器を巨大化させられる。作中では逃亡するルフィらの乗る船への追撃として、体の巨大化、および能力によって威力を増大させて「飛ぶ斬撃」を放った。
飛ぶ斬撃自体は、ゾロやワノ国のキャラたちも見せているため珍しくはないが、驚くべきはその威力で、一撃で海を真っ二つに割るほどだった。
また、ジェルマ66のレイジュから毒攻撃を食らった際は、その能力で自らの腕を絞って毒を抜き取ったほか、マスカルポーネ、ジョスカルポーネ兄弟が受けた毒も抜くなど、攻撃だけでなく味方の救助にも活用できる。
幅広く応用可能な万能能力なのは間違いないが、何より作者である尾田栄一郎氏が単行本89巻のSBSのコーナーにて「強いです」と明言しているため、作者公認の実力者なのは間違いない。
■覇王色の覇気の持ち主!? 元海軍元帥「センゴク」
海賊だけでなく、政府側にも実力が未知数なままの人物がいる。元海軍本部元帥にして、ガープ、つる、ゼファーなど伝説の海兵のひとりに数えられる、センゴクだ。
悪魔の実の能力者であり「ヒトヒトの実 幻獣種モデル“大仏”」を食し、巨大な黄金の大仏に変身可能な能力を有する。巨体を活かした肉弾戦、および手のひらから放つ衝撃波が主な武器となる。
元帥という海軍本部における最上級の階級でありながら、実際に戦闘シーンが描かれたのは白ひげ海賊団との頂上戦争時くらい。それも白ひげ本人ではなく、エースを救出しに来たルフィの迎撃と、乱入してきた黒ひげをガープとともに対処した時のみだった。
それでも、白ひげから奪った「グラグラの実」の能力を発動した黒ひげと正面から渡り合い、戦争終了まで大した負傷もなかったことから、極めて高い実力を秘めていると思われる。
立場上、前線に立つことは難しかったと思われるセンゴクは、頂上戦争後には元帥の席をサカズキに譲り、「大目付」という立場で後進の育成に当たっている。
元帥引退にあたり、現世界政府全軍総帥にして、もとは海軍元帥であったコングとも会話を交わしている。コングは、センゴクが大将だった時代の元帥だったと考えられるが、彼もまた元元帥にふさわしい実力を有していると推測される。
大目付になったセンゴクは元帥時代と比べて身軽になったのか、ドレスローザ編にてルフィに敗れたドフラミンゴの護送の任に就いたつるの援護に向かう。道中でカイドウ率いる百獣海賊団の大看板、ジャックが目撃した際は、新たに大将となったイッショウの存在もあり「面子がヤバ過ぎる……!! 国でも滅ぼしに行くのか?」と高評価し、実際にジャックを返り討ちにするなど、実力は健在なところを証明した。
なお、海軍中将以上は武装色と見聞色の覇気を習得していることで知られているが、センゴクは「覇王色の覇気」まで習得していることが『VIVRE CARD ~ONE PIECE図鑑~ STARTER SET vol.2』(集英社)のなかで明かされている。