■怒涛の展開とハイクオリティなアニメーション『ダンダダン』

 最後は、2024年“秋アニメ”から。話題の中心は、やはりサイエンスSARU制作の『ダンダダン』だろう。

 龍幸伸さんによる本作は、マンガ雑誌サービス『少年ジャンプ+』(集英社)に2021年から連載されている“オカルト”をテーマとした大人気の怪奇バトル漫画だ。

 アニメ第1話「それって恋のはじまりじゃんよ」では、宇宙人の存在は信じていないが幽霊の存在は信じている綾瀬桃と、幽霊の存在は信じていないが宇宙人の存在は信じている高倉健(通称:オカルン)との出会いから始まり、それぞれが宇宙人の“セルポ星人”、近代妖怪の“ターボババア”に襲われるという衝撃的なスタートとなった。

 なかでも、セルポ星人とターボババアに取り憑かれたオカルンの戦闘は、圧倒的な作画と赤と青というカラーの対比で表現されており、より鮮烈なシーンとなっていた。

 また、本作もOPの素晴らしさが話題をさらった。映像は昭和の特撮『ウルトラマン』のOPをオマージュしており、新しさのなかに懐かしさも感じられるものとなっている。

 そして主題歌『オトノケ』は、アニメ『マッシュルーMADHLEー』第2期でOP曲「BlingーBangーBangーBorn」を手がけ、世界的大ヒットを生み出したCreepy Nutsが担当。『オトノケ』も、ビルボードの“Japan Songs”で6カ国首位を獲得(集計期間:2024年10月4日〜10月10日)するなど、まだまだその勢いは止まらない。

 衝撃的な第1話から始まり、怒涛の展開が続く『ダンダダン』。今後も注目していきたい作品である。

 

 今回は、2024年に話題になった「1話目がインパクト大だった」アニメを振り返りかえってきた。『勇気爆発バーンブレイバーン』の豪快なサプライズ、『しかのこのここしたんたん』の独特な世界観、『ダンダダン』の衝撃的な展開と映像スタイル。そのどれもが衝撃的な第1話であり、今年を代表するようなアニメ作品となった。

 来年2025年はどんなアニメが誕生するだろう。「来年の事を言えば鬼が笑う」と言うが、鬼も大いに笑い感動するような作品の誕生を期待したい。

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