■大剣豪への道は地獄への道

「パンクハザード編」から旅を共にする錦えもんより、秋水はもともとワノ国にあった神器だと告げられるゾロ。

 ゲッコー・モリアによってリューマの遺体とともにワノ国の外へ持ち出され、のちにゾロの手に渡ったというのが事の顛末だったが、墓荒らしの犯人の濡れ衣を着せられたゾロは、ことあるごとに秋水の返還を迫られることになる。

 繰り返しその要求を拒んできたゾロだが、ワノ国にてとある刀と引き換えについに秋水を手放すことを決意した。

 光月おでんの娘・日和が秋水と引き換えに提示してきた刀「閻魔」は“大業物21工”に位列するおでんの形見で、四皇・カイドウに唯一傷をつけた刀だと明かされる。「んー替わりをくれるんなら…まあ…」と要求に応じたゾロが閻魔で試し斬りをすると、なんと海岸が崖ごと斬れてしまった。

 閻魔は持ち主の覇気を強制的に引き出し必要以上に斬るという特徴を持っており、ゾロの腕も一時干からびたように細ってしまう。閻魔を威圧し気合で覇気を取り戻したゾロは「これを貰う!!!」と、新たに閻魔を迎え入れるのだった。

 ちなみに、三代鬼徹の作者・天狗山飛徹曰く、ゾロの和道一文字と閻魔はかつての名工・霜月コウ三郎が作刀したもので、ゾロの刀同士の意外な関係性や、閻魔が手に馴染む理由なども明かされた。

「ワノ国編」の終盤、キングとの戦闘中、閻魔のコントロールに苦しむゾロは故郷のシモツキ村にいたとある老人を思い出す。老人はそれぞれ性格の異なる刀を服従させるのが剣士であるとゾロに説き、過去に作った人生最高の一振りに地獄の大王の名を与えたと語っていた。

 その刀こそが今まさにその手に握る閻魔であると気づいたゾロは、無意識に覇王色の覇気を覚醒。そして見事キングを斬り伏せたのち、ゾロは「なってやろうじゃねェか 地獄の王に!!!」と宣言するのであった。

 

 さまざまな経緯を経て、現在ゾロが所持している刀は「和道一文字」「三代鬼徹」「閻魔」である。いまだ位列の最上位である“最上大業物”は手にしていないが、黒刀に成っていない刀はゾロ次第で今後位列も上がるという。

 『ONE PIECE』の物語も終盤、戦闘もさらに激化していくなかでゾロの刀がいかにして黒刀に成るのか、その描写にも大いに期待しつつ、彼の大剣豪への道をこれからも見守っていこう。

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