現在の“三刀”はなに?『ONE PIECE』ロロノア・ゾロが所持した「名刀たち」と大剣豪への道の画像
DVD「ONE PIECE Log Collection“WANOKUNI”」(エイベックス・ピクチャーズ)

 “麦わらの一味”の副船長的な位置づけにあるロロノア・ゾロ。3本の刀で多くの敵を打ち倒し、“世界一の大剣豪”を目指して着々と力をつけてきたがその道は決して楽なものではなく、時に刀との出会いや別れを繰り返しながら歩んできた。

 『ONE PIECE』に登場する刀にはそれぞれ名前と位列が設定されており、刀ごとの逸話なども物語を深堀りする上での重要な要素となっている。

 今回は、物語が終盤に差し掛かった『ONE PIECE』において、ゾロが現在持っている刀がどのようなものであるか、その特徴を入手の経緯も含めてまとめていこう。

■呪われた刀と託された名刀

 幼少期のゾロは、二刀流の剣士として道場での修行に励んでいた。しかしゾロの目標であったくいなが不慮の事故で命を落としたことで、のちに“大業物21工”に入る名刀と明らかになるくいなの愛刀「和道一文字」を受け継ぎ、三刀流の剣士として大剣豪への道を歩むことになるのだ。

 やがてゾロは東の海(イーストブルー)で“海賊狩り”の異名がつけられるほど剣士として成長するが、海上レストラン・バラティエにて相まみえた世界最強の剣士“鷹の目のミホーク”に惨敗。和道一文字を除く、2本の刀を砕かれてしまうのであった。

 偉大なる航路(グランドライン)突入直前に寄ったローグタウンの武器屋では、思いがけず“業物”の「三代鬼徹」に出会う。所有者に死をもたらす“妖刀”として一時は販売を拒否されるが、放り投げた三代鬼徹がゾロの腕をスルリと避けたことで、ゾロの“運”が刀の“呪い”に打ち勝ったことを証明し、見事三代鬼徹を獲得する。

 そしてそんなゾロに惚れこんだ店主・いっぽんマツの計らいによって、“良業物50工”に位列する「雪走」を譲り受け、再び三本の刀を携えて偉大なる航路に挑むことになるのである。

 新たに迎え入れた二本の刀はウイスキーピークにて初めて実戦投入される。ゾロが「軽い……!! いい刀だ…」と評した雪走は敵の包囲を一瞬で突破できるほどに軽く、斬られた者たちもそのダメージを理解するのに時間がかかるほどの斬れ味を見せつけた。

 背後の敵に対し振り向き様に振るった三代鬼徹は石オノをスパッと両断し、自身の意図に反したその切れ味に「コイツは問題児だ…!!」と冷や汗をかくゾロの姿が印象的だった。

 そんな三本の名刀たちとはその後長らく旅を共にし、Mr.1やオーム、カクなど数々の強敵を切り伏せていくのである。

■ワノ国の剣豪が所持した伝説の黒刀

 「エニエス・ロビー編」終盤、海軍の精鋭200人と激しい戦闘を繰り広げるなかでゾロは、思わぬ天敵に遭遇してしまう。

 “サビサビの実”の能力者であるシュウに刃を握られてしまい、雪走が一瞬でサビつき破壊されてしまうのだ。漫画ではたった1コマで描かれた雪走のその無惨な最期に、多くの読者が衝撃を受けたことだろう。

 ローグタウンで譲ってくれたいっぽんマツを思い出しどこか悲哀を覗かせながらも、舞台は「スリラーバーク編」へと突入する。ちなみに雪走はその「スリラーバーク編」終盤にて、ゾロが丁寧に供養する描写が見られた。

 ゾンビ化したワノ国の伝説の侍・リューマが所持していた黒刀に目をつけたゾロは「その刀おれが使ってやる!!」と意気込み、リューマに挑む。互角の筋力でぶつかり合い建物を激しく損壊させながら繰り広げられた戦闘は、わずか5分の間にリューマが事実上の敗北を宣言したことで決着となった。

 ゾロの手に渡るのならば本望だろうと譲り受けたその黒刀「秋水」は、“大業物21工”に位列する紛れもない名刀であった。

 雪走よりも重量のある秋水は、巨人族よりはるかに大きいオーズのパンチを逸らし、想定していないほどの巨大な斬撃を生み出す“じゃじゃ馬”として、ゾロの向上心を掻き立てたのである。

 「ワノ国編」中盤までその歩みを共にし多くの敵を打ち倒してきたゾロだが、秋水を使用した明確な戦闘描写のなかでも「パンクハザード編」での対モネ戦は、強く印象に残っている。

 女性は斬らないと思われていたゾロが、モネに放った一刀流の技・“大辰撼”。振り下ろされた秋水はモネの身体を真っ二つに両断し、壁や床まで荒々しく破壊するのだ。

 確かな威力を持った一撃だが覇気は纏っていなかったため、自然(ロギア)系の能力者であるモネには意味のない技のはずである。しかし、ゾロの殺気に気圧されたモネは、覇気を使われていたら死んでいたという恐怖心から身体の再生ができず、戦意喪失という形で決着を迎えるのである。

 圧倒的に格下であるモネに対してだからこその幕引きだが、この時の秋水を振り下ろすゾロの迫力は圧倒的で、読者に強烈な印象を残した。

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