■男らしくてかっこいい!『天空の城ラピュタ』ダッフィー親方

 1986年公開の『天空の城ラピュタ』は、空に浮かぶ伝説の島・ラピュタをめぐって繰り広げられる冒険が、幅広い世代に愛される名作だ。

 パズーやシータはもちろんのこと、空中海賊のドーラやシータを狙うムスカ大佐など、魅力的なキャラクターがたくさん登場する本作。ここで筆者が推したいのが、パズーの親方として登場するダッフィーだ。

 ダッフィーは鉱山で働く機械工で、鉱山の採掘には欠かせない存在である。そして、両親のいないパズーにとって、親代わりのような人物だ。

 冒頭のシーンでは過酷な鉱山での仕事風景が描かれているが、その際に部下のパズーに重要なエレベーターの操作を任せるシーンがあった。

 「落ち着いてやりゃぁ、できる」と声をかけるダッフィー。失敗すれば、地下の仲間たちの命が危ない作業だが、パズーを信頼しているからこそ任せていたのだろう。

 その後、空から落ちてきたシータが気になりブレーキをかけるのが遅れてしまったパズーに「ブレーキ!」と声をかけフォローする姿からも、彼が親方として頼れる存在であることが分かる。

 さらにダッフィーは、パズーとシータがドーラ一家に追われ助けを求めた時にも、身を挺して守ってくれる。その際、ドーラ一家の長男・シャルルと力比べになるのだが、ダッフィーは少年のような顔で力比べに参戦。しまいには拳で殴り合う大ゲンカにまで発展し、町の人たちを巻き込んで、パズーとシータが逃げる時間を稼いでくれたのだった。

 ちなみにこのシーンでは、力比べでビリビリに破いてしまったシャツを見た奥さんに「誰がそのシャツを縫うんだい?」と言われ、縮こまる可愛らしい一面も見せている。

 頼れる親方としての器量、筋肉隆々とした体格の良さ、その反面、奥さんに頭が上がらない可愛らしい一面もあるダッフィー。そんなところに女心をくすぐられてしまうのは、筆者だけではないだろう。

 

 魅力的なキャラクターにスポットライトを当てて作品を見返してみると、あらためてジブリ作品には素敵な男性が多いことに気づく。メインキャラクターだけでなく、悪役であってもどこか憎めない魅力を持っているのだ。

 そして今回のように新しい視点で作品を見るのも、慣れ親しんだ名作の違った楽しみ方なのかもしれない。この機会に、ぜひ自分のお気に入り男子を見つけてみてはいかがだろうか。

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