実写ドラマ『ウイングマン』昭和の特撮ファンが大興奮した「懐かしネタ」の数々 「まさかデンジマンが…」の画像
『ウイングマン』キービジュアル(C)桂正和 /集英社・「ウイングマン」製作委員会

 1980年代に人気を博した少年漫画『ウイングマン』が、この令和の時代に実写ドラマとなって降臨した。かくいう筆者は長年、特撮作品を観てきた筋金入りの特撮ファンである。

 しかしながら、この『ウイングマン』という作品、存在自体は知っていたものの、実は筆者は読んだことはなかった。今回、初めて実写ドラマ化されるということで、じっくり第1話から視聴してみたのだが、そのあまりにも“特撮愛”に溢れた内容に大興奮してしまい、今に至る。

 本稿では、実写ドラマ『ウイングマン』で引用されている特撮の名作たちを振り返りながら、本作の魅力をつづっていく。

■『電子戦隊デンジマン』『仮面ライダーディケイド』…健太のおもちゃに歓喜!

 実写ドラマ『ウイングマン』は、1983年から1985年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載されていた桂正和さんによる漫画を原作としている。

 この実写ドラマ版では、特撮オタクの主人公・広野健太(藤岡真威人)が、異空間より現れた謎の美少女・アオイ(加藤小夏)と出会うところから幕を開ける。ひょんなことから自身が考案した正義のヒーロー・ウイングマンとなった健太は、怪人たちとの戦いに身を投じていくことに……というストーリーが展開されていく。

 まず、特撮ファンとして惹かれたのは、主人公・健太の部屋の中だ。健太は高校生でありながら、自作のスーツを身に纏い、自警団員的な活動も行っているほどの筋金入りの“特撮オタク”である。そのため、自室にはありとあらゆる特撮グッズが散乱しているのだ。特撮ファンであれば、きっと目を凝らして、どんなものが置いてあるのか確認したくなることだろう。

 そんな数々のグッズのなかでも、とりわけ存在感を放っていたのが『電子戦隊デンジマン』だ。同作は、1980年から1981年に放送された『スーパー戦隊シリーズ』第4作である。

 部屋の壁には『デンジマン』のDVD発売を告知するプロモーションポスターらしきものが貼られ、棚の上には巨大合体ロボの「ダイデンジン」のおもちゃが飾られていた。

 ちなみに、今となっては巨大化した敵怪人相手に合体ロボで戦うというのが、『スーパー戦隊シリーズ』の定石となっているが、シリーズにおける合体ロボの礎を築いた作品が、まさに本作である。

 そのほかにも健太の部屋にはさまざまな特撮グッズが飾られていたが、それは昭和の作品ばかりではない。

 たとえば、2011年から2012年にかけて放送された『スーパー戦隊シリーズ』第35作『海賊戦隊ゴーカイジャー』から、変身アイテムの「レンジャーキー」の数々、2018年から2019年に放送された『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』より、「DXルパンカイザー」。

 さらに、2001年から2002年に放送された『百獣戦隊ガオレンジャー』のDVD販促ポスターに、2009年放送の『平成仮面ライダーシリーズ』第10作『仮面ライダーディケイド』より、変身ベルトの「DXディケイドライバー」……と、実に多くのグッズが飾られており、時代を超えて愛される特撮の歴史を健太の部屋に垣間見ることができる。

■技にも特撮ヒーローオマージュが…あの“宇宙刑事”も登場!?

 “特撮オタク”が変身するヒーローとなれば、必殺技などにも好きなヒーローへのオマージュを欠かさないはずだ。

 実際、健太が扮するウイングマンは、第3話にて強化フォームである「ガーダーシルエット」へとパワーアップするのだが、そのフォームで繰り出される必殺技「レイバーストレイズ」は、“仮面ライダーBLACK RXのリボルケインっぽくしてみた”と、のちに彼自身によって語られていた。

 この『仮面ライダーBLACK RX』は、1988年から1989年に放送された『昭和仮面ライダー』最後の作品である。前年放送の『仮面ライダーBLACK』の続編として製作されており、シリーズで唯一の正統派続編として有名だ。確かに言われてみれば、光の刃が敵怪人を貫く様は、RXが敵組織・クライシス帝国の送り込んだ怪人たちを倒す様子と酷似しているように思う。

 また、本作では、健太自身が熱狂的な“ギャバン推し”であることが見受けられ、たびたび『宇宙刑事ギャバン』について言及されている。前述の『電子戦隊デンジマン』然り、健太は俳優・大場健二さんをとことん激推ししているのかもしれない。

 この『宇宙刑事ギャバン』は、1982年から1983年にかけて放送された『宇宙刑事シリーズ』及び『メタルヒーローシリーズ』第1作である。原作漫画が『ギャバン』の影響を色濃く受けていることから、作中のセリフとしてしばしば登場するのだと思っていたら、なんと! そのギャバンが実際に登場するではないか。

 第4話にて、健太が意中の女の子である美紅とヒーローショーを観に行くシーンがある。何を隠そう、そのヒーローショーこそが『宇宙刑事ギャバンショー』なのである。ギャバンがステージ上を縦横無尽に駆けまわり、必殺技の「ギャバンダイナミック」を繰り出す姿は必見だ。「よろしく勇気!」

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