二次元だけにとどまらず、最近ではドラマでも才覚を発揮している超売れっ子俳優・津田健次郎さん。10月5日よりスタートしているアニメ『魔王様、リトライ!R』(TOKYO MXほか)では主人公を演じているほか、今年はドラマや映画に、声のみやナレーションを含め9本もの作品に出演している。このとどまらない快進撃、本人はどう感じているのだろうか。
――近年はドラマ出演も急増し、活躍の場を広げています。
津田 楽しくいろんな活動をさせていただき、とてもありがたく思いますね。ひとつひとつ丁寧に、大事にやっていきたいなと思っています。
――これまでの俳優人生を振り返って、転機はありましたか?
津田 やっぱり『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』(2000年)でしょうか。ここから、声優として食べられるようになったんです。それから『テニスの王子様』(2001年)に出演したり、ラジオやイベントをやったりと、それまではやらなかった仕事をいただけるようになり、広がりを実感しました。そこから世界が広がった、というのが大きな転機でしたね。
――「食べられるようになった」ということは、それ以前はバイトもしていたんですか?
津田 バリバリ、バイトしていました。接客以外、いろいろやりましたね。
――接客バイトはやらなかったんですね。
津田 僕、接客がほんっと苦手で……。バイトのときにまったく人と喋りたくないんです(笑)。
――黙々と仕事をしたいタイプなんですね。
津田 はい、ずっと黙っていたいんですよ。
――2000年くらいまでバイトをしていたということは、当時30歳前後でしょうか。それまでは声優に限らず活動していましたよね。
津田 そうですね。アニメーションをたまにやらせていただき、あとは舞台や映像をやっていました。ただ、仕事は違えどスタンスは今も昔も変わっていないです。ひとつひとつ丁寧に仕事をしていましたね。
――転機となった『遊☆戯☆王』は、音響監督を務めた声優の三ツ矢雄二さんが「オーディションで津田さんを推した」と言っています。
津田 これ、実は後づけかもしれないなあと思っています。三ツ矢さんの一言でそう簡単に決まるかなと……(笑)。でも、本当に推していただいたなら本当にありがたいんで、今度関係者に「本当ですか?」と聞いてみようかな(笑)。
――三ツ矢さんとのやりとりで、印象に残っていることはありますか?
津田 ご本人も声優ということもあってか、若者に非常に愛のある音響監督さんでした。本当にお世話になりましたけど、口は辛辣でしたね。「ほんと下手ね!」とか(笑)。まぁ実際に下手だったので「はい……ですよね」と返事していましたけど。
――そんなとき、津田さんは落ち込むタイプでしたか?
津田 いや、落ち込まないタイプなんですよ。「しゅん」となったことがなくて……。逆に、終わったあとに三ツ矢さんに「ちょっと来なさい」と呼び出されたことがあって。「怖い……!」と思いながら行ったら、「あなた本当に頑固ね。その生き方はすごく大変だけど、貫きたいなら頑張りなさい」と言われたんです。