「徹夜でドラクエ3を遊んでいた」人気俳優・津田健次郎がゲームを“触らなくなった”ワケの画像
津田健次郎  写真/有坂政晴

 二次元作品だけにとどまらず、最近ではドラマでも活躍中の超売れっ子俳優・津田健次郎さん。10月5日からは、アニメ『魔王様、リトライ!R』(TOKYO MXほか)に出演中だ。同作について、そして津田さんの気になる転生願望について聞いた!

 

――『魔王様、リトライ!R』は、津田さんから見てどんな印象の作品でしょうか。

津田 ほぼコメディですが、ヘビーでシリアスな展開もあり、コメディとシリアスをバランスよく同居させた作品なのかなと感じましたね。

――津田さんが演じているのは、ゲーム開発会社のサラリーマン大野晶と、彼が転生する魔王の九内伯斗という「一人二役」です。それぞれ、どんなキャラクターですか?

津田 晶はゲーム開発をすごく真剣に取り組んでいますが、社会ではあまりうまくやっていけないようなキャラクターですね。九内のほうは、シンプルに「強い男」です。ブレがないですよね。

――津田さんは両キャラを演じ分けていますが、声色がまったく違いますよね。どうやってアフレコしているんだろうと不思議に思いました。

津田 最初に、監督さんたちと「どうしようか」という話をして、それぞれ別で録ることになったんです。

――そうでしたか! その場でスイッチしているわけではないんですね。

津田 完全に分けてやっています。その場でそれぞれの声を出していたら、すごいことになるなと思います(笑)。でも、リズムによってはその場で両方やっちゃったほうがいいシーンもあるんですけどね。

――それぞれのキャラクタターは、どんなふうに演じていますか?

津田 今回は特に、晶については意識していますね。最初はそこまで声の高低差をつけるようには考えていませんでしたが、現場に入ってやってみたら、音響監督さんから「晶は、もっと(声のトーンを)上げてください」と言われて。

――たしかに、かなり高い声ですよね。最初は津田さんの声だと思わなかったくらいです。津田さん史上いちばん高い声ですか?

津田 ……と思います。普段は使わない音だしモードなので、そういう意味では不安でした(笑)。

――九内はどんなふうにアプローチしましたか? “魔王”というキャラクター自体、独特だと思いますが。

津田 重厚感が大事だと思いましたが、晶よりはすっと入っていくことができましたね。“魔王”は現実世界では存在しないものではありますが、僕はあまりそういう考え方はしないんです。現実に存在するものも、しないものも、どちらも「フィクションの中のひとつの役」ですからね。

――なるほど。今回の作品は、いわゆる“異世界転生モノ”ですが、津田さんご自身は転生願望はありますか?

津田 どうでしょう……(長考)……そういう願望がそもそもなくて、「現実を頑張ろう」というタイプかもしれないです。

――まっとうですね……。

津田 そうなんですよね(笑)。ただ、SFの世界は好きで、月や違う星にパッと行ったりできる……というのは面白そうだと思います。単純に見たいだけですけど(笑)。

――ヒーロー願望などもないですか……?

津田 悪いヤツをやっつけるというのはいいですよね。ただ、そこもリアリストなんですかねえ、ドラマなんかで悪いヤツっていうと、社会や会社の実権を握っている実力者ってイメージがありますけど、実はそういう人って優秀だったりするわけじゃないですか。

――なるほど、たしかにです(笑)。

津田 その人たちをやっつけちゃったら、意外に困るんじゃないだろうか……とか、いろいろと想像力を働かせると「いや、やっぱりやっつけられないな……」と思ってしまうんです(笑)。だから、なかなかヒーロー願望が芽生えにくいのかもしれないですね。

――とても現実的です(笑)。

津田 普段フィクションをやっているからですかねえ(笑)。

――これまで異世界に生きる役柄を、幅広くたくさん演じていますからね。

津田 そうなんですよ。俳優1本だったら人間しか演じていないところを、今回は魔王ですしね。魔王は世界で一番強い、それこそ牛耳っている存在ですから。

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