■3種類の覇気持ちがルフィに味方するワケ

 では、そんな覇王色の覇気まで扱う猛者には、なぜルフィに味方する者が多いのだろうか。

 そのヒントになりそうな言葉をこぼしていたのが、“世界最強の剣士”にして、ゾロの覇気を鍛えた師でもある「ジュラキュール・ミホーク」である。

 ミホークは、頂上戦争のときにエースを助けようとするルフィたちと対峙し、逃げられている。そのときにミホークはルフィについて、「能力や技じゃない その場にいる者達を次々に自分の味方につける」「この海において あの男は最も恐るべき力を持っている……!!」 と心の中で語っている。

 そして頂上戦争でルフィの覇王色の覇気を目の当たりにしたイワンコフも、「今はまだ眠れる力…しかし道理で人を引きつける」とこぼしていた。

 つまり“王の資質”とされる覇王色の覇気とは、強大な殺気で相手を威圧して失神させるだけの力ではなく、「人を味方につける力」も含まれているのかもしれない。

 もしそうだとすれば、ルフィの味方やそれに準ずる人物に覇王色の覇気を含む3種類の覇気を使える猛者が多い理由は、彼の覇王色によって引きつけられたとも考えられないだろうか。 

 本来は人の上に立つ、王の資質を持った覇王色の使い手すら魅了するような力をルフィが秘めているのだとすれば、辻褄が合う。

 とはいえ、3種類の覇気を持つ人物は圧倒的な強者ばかりだ。仮にその半数がルフィに与するようなことがあれば、世界のパワーバランスはとんでもないことになるだろう。そう考えると世界には、いまだ判明していない3種類の覇気持ちや、もっと恐ろしい力を秘めた強敵が存在するのかもしれない。

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