■弱い人間の気持ちもよくわかってくれそうなクリリン

 筆者は個人的には、クリリンに上司になってほしいと思っている。その理由は、弱い人間の気持ちを一番よくわかっているからだ。

 かつてのクリリンは負けっぱなしの人物だったが、それでも決して腐らずライバルの悟空に食らいついていた。努力を怠らないし、どんな時も自分にできることを精一杯やっている。

 ナメック星では自分よりも戦闘力が上のキャラばかりに囲まれる中、ドラゴンボールを集め、悟飯、デンデ、ブルマのフォローまでこなす。これができたのは、彼が状況判断をしっかりできていたからだろう。

 しかもアレンジの効いた技の開発や戦い方を見ていても、彼の発想力のスゴさが伝わってくる。周りをあっと言わせる結果をしっかりと出しているのだ。

 きっとクリリンは、仕事ができない部下に対しても優しく接してくれるはずだ。周りに格上のキャラばかりがいて悩んできたからこそ、彼には「できない側」の気持ちが理解できるだろう。

 また、部下との対話などもうまくやっていけそうだ。悟飯やデンデとのやり取りを見ている限り、彼は年下に好かれる話し方や接し方をしており、コミュニケーション能力の高さがうかがえる。周りを陽気にしてくれるムードメーカー的な存在でもあるので、明るい職場を作ってくれそうだ。

■どこか憎めない不思議な存在・ミスター・サタン

 最後はミスター・サタンも理想の上司のひとりとして挙げておきたい。そう聞いて「えっ?なんでサタン?」と思う人も多いかも知れない。

 しかし、サタンには不思議な力があり、最悪の状況をなんだかんだで乗り切ってしまう運がある。それには、自分ならやれる!という純粋な気持ちも関係しているのかも知れない。

 注目したいのは、誰も従えられなかった魔人ブウをサタンが手懐けてしまったことだ。サタンに強さはないが、たたずまいだけで人を虜にしてしまう魅力がある。ブウはそんなサタンに惹きつけられたのだろう。

 この力は仕事でも大きな威力を発揮するはずだ。仕事は特別よくできるわけではないけど、天然でどこか憎めない存在……。そういう上司がいると、部下も「この人なら助けたい!」という気持ちになってしまうのではないだろうか。

 

『ドラゴンボール』にはいろんなタイプのキャラがいて、「もし現実に存在したら?」と想像してみると、組織に属することができなさそうな者も中にはいるだろう。このキャラが上司だったら良いな、逆に絶対に嫌だな……そんな風にあれこれ想像をめぐらせてみると、キャラの意外な魅力が見えてくるかもしれない。

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