アニメ『機動戦士ガンダム』で、型式番号RXー78ー2「ガンダム」に搭乗し、伝説的な戦果をあげたニュータイプパイロット「アムロ・レイ」。ジオン兵から“連邦の白い悪魔”と恐れられた彼とガンダムの活躍は、皆さんもよくご存知のことだろう。
ガンダムはアムロの代名詞でもある機体だが、初代『ガンダム』から『Zガンダム』、そして『逆襲のシャア』に至るまで、アムロはガンダム以外の機体に乗って活躍する場面もあった。
そこで今回はアニメ作品のなかで、アムロがガンダム以外の機体に搭乗して挙げた戦果や活躍のシーンに着目して振り返ってみたい。
■まさかの徒手空拳! ザクを一方的に蹂躙
アニメ『機動戦士ガンダム』の第16話で、ホワイトベース隊の女性パイロット「セイラ・マス」が、アムロのガンダムに乗って勝手に出撃する場面がある。このときアムロは、やむを得ずガンキャノンに搭乗して、セイラを援護するために出撃した。
敵はジオン公国軍の“青い巨星”こと「ランバ・ラル」が乗るグフと、その部下が乗る2機のザクIIだ。思うようにガンダムを操ることができないセイラは、一方的に攻撃を受ける。
セイラの援護に向かったアムロは、砲撃戦に向いたガンキャノンで、グフのヒートロッドによる攻撃を軽やかに回避。肩部のキャノン砲で反撃し、ラルのグフと互角に渡りあう。
その後、部下のザクとも交戦すると、ザクが弾切れした隙を突いてキャノン砲で胴体をぶち抜いて撃破した。
さらにアムロは、セイラが乗るガンダムを鹵獲しようとしていたザクの前に立ちはだかり、ザクの頭部を殴りつける。
続けて足払いでザクを転倒させたアムロ。あまりの衝撃にザクのパイロットのヘルメットのバイザーが割れ、おそらくこの段階で失神したものと思われる。
その後、ザクを片手で引きずりながらホワイトベースまで帰還したガンキャノンの姿は、まるで狩りでしとめた獲物を持ち帰るハンターのようだった。アムロの恐ろしさを象徴するシーンとして、印象に残っている人も多いのではないだろうか。
■まさかの輸送機で大金星未遂?
アニメ『機動戦士Zガンダム』の第14話では、連邦軍の監視下に置かれていたアムロが、空港で発進を待っていた輸送機を強奪して逃亡。ハヤトやカミーユのいる輸送機アウドムラを目指す。
そのアウドムラは、連邦の「ブラン・ブルターク」が乗る可変モビルアーマー・アッシマーの攻撃を受けていた。カミーユ・ビダンのガンダムMk-II、クワトロ・バジーナの百式が迎撃するが、圧倒的な機動性能の前に苦戦を強いられていた。
輸送機の中から、その戦況を冷静に見極めたアムロは、同乗していたカツ・コバヤシを先に降ろすと、アッシマーに向かって接近。背後から輸送機を激突させると、アッシマーを撤退に追い込んだ。
アムロはちぎれた輸送機のコクピットからきっちりパラシュートで生還しており、すべて計算の上での行動だったと思われる。
カミーユとクワトロが2機がかりで苦戦したアッシマーを、武装すらない輸送機で撃退したアムロの技量に驚かされた場面だった。