■「親子かめはめ波」を前に敗れたセル

 最後はこれぞかめはめ波というシーンを紹介したい。それが人造人間・セル編で見せた悟飯最大のかめはめ波だ。

 セルとの戦いでは、終盤セルの力に誰もついていけず、悟飯だけが唯一対抗できる存在となってしまった。

 しかも悟飯は怒りからの覚醒によってセルの力をあっさりと抜き去り、まるで子ども扱い……。これにはセルも絶望してしまい、嫌がらせのように自爆を図る。それを見た悟空は、地球を救うためにセルと一緒に界王星に瞬間移動して爆発させた。

 しかし、セルは頭の中にある核を破壊されなかったために肉体を再生し、より強くなって復活する。絶体絶命のピンチだが、悟飯は「おとうさんのカタキが討ててうれしいんだ」と語り、自分の手で決着をつけられることに対して笑みをうかべていた。

 やがて、セルの放つかめはめ波に対して全力のかめはめ波を放つ……が、悟飯は左手を負傷していたので右手のみのかめはめ波となる。そのため、セルのかめはめ波に押されてしまった。

 しかしもうダメかと思われた次の瞬間、あの世にいる悟空が悟飯の背後に立ち悟飯の後押しをする。悟飯にアドバイスをしつつ、親子ふたりのかめはめ波でセルに対抗するのだ。

 悟空の「いまだーーーーっ!!!!」という合図とともに悟飯が力を出し切ると、セルは悟飯のかめはめ波に飲み込まれて完全に姿を消してしまった。これまでかめはめ波でボスキャラを倒すことが無かったので、初めての光景でもある。しかも、「かめはめ波対かめはめ波 最後の決戦」というタイトルも良い味を出していた。

 悟空は二度と生き返れないので、この最初で最後の「親子かめはめ波」のシーンには心打たれてしまった。

 

 今回紹介してきたように、確実に敵を倒せたのは悟空と悟飯を合わせてもたったの3戦と、原作ではかめはめ波で完全に倒せた敵はかなり少ない。しかし、アニメ『ドラゴンボールGT』や劇場版を探すとそれなりに存在する。

 これらはオリジナルエピソードだからこそ、必殺技で終わらせて勝つ! というラストに持っていきやすいのかもしれない。意外と決まらないかめはめ波、原作やアニメで描かれたシーンを改めて見返してみてはいかがだろうか。

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