『呪術廻戦』ついに完結!宿儺、虎杖はまだまだ謎だらけ!?本編で未回収の「気になる伏線」の画像
アニメ『呪術廻戦』DVD vol.1 ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

 芥見下々氏による漫画『呪術廻戦』は、2024年9月30日発売の『週刊少年ジャンプ』44号にて完結を迎え、6年半の連載に幕を閉じた。

 めでたく完結を迎えた本作だが、少しばかり不完全燃焼感のある読者も多いのではないだろうか?というのも、作中でいまだに明かされていない伏線がいくつも存在し、いずれもが詳細の気になるものばかりだからだ。

 そこで今回は、完結を迎えても謎に包まれた『呪術廻戦』の気になる伏線を3つご紹介しよう。

■史上最強の術師の過去は?平安の生前宿儺について

『呪術廻戦』における最重要人物にして、本作のラスボスでもある両面宿儺。千年以上前の平安の世に実在していたはるか過去の術師で、呪術全盛の時代と呼ばれる当時の術師が束になっても叶わなかった“史上最強の術師”である。

 彼の死後に死蝋となった指は「特級呪物」として現代まで残り、五条悟を含む術師達が完全な封印・破壊のいずれも叶わなかった。死後もなお現世に影響を及ぼす、自他共に認める“呪いの王”だ。

 その体は腕が4本に顔が2つ、腹にも口を持つ異形で、まるで伝説の両面宿儺そのものの外見をしていたために、そのまま「宿儺」と呼ばれている。すなわち、彼は見た目で宿儺と呼ばれているだけで、生前の本名などは一切不明なのだ。

 ファンブックにおいて作者は、生前の宿儺について「呪詛師っちゃ呪詛師ですけど、もっと天災とかに近いものだったんじゃないですかね」と回答している。要するに、人間に仇成す存在らしかったとは分かるのだが、実際に何をしていたのか?などについては結局不明なままだ。

 作中でも生前の平安時代を回想する回は少なかったが、明確に描かれたのは219話でのこと。作物の豊穣を祈る新嘗祭にて彼が招かれており、祈りを捧げる対象として扱われていた。

 当時の人物たちも「なぜあの様な怪物を招くのだ」「何故宿儺に我々が五穀豊穣を祈らねばならんのだ!」と語っていたため、内心忌むべき存在として見られていたのは間違いない。

 数少ない描写から鑑みるに、生前は圧倒的な強者故に天災として見られ、それ故に怪物にして人知を超えた「神」のような扱いであったのではないかと考えられる。

 それにしても、天上天下唯我独尊を貫く宿儺が生前の祭りの際あれほど大人しくしていたのは、やはり「食」のためだったのだろうか?

■天使とはどういう関係!?「堕天は俺だ」の真意とは?

 死滅回游編の中で、虎杖から伏黒へと体を乗り移り、再び現世への受肉を果たした宿儺。そんな彼の前に立ちふさがったのが、来栖華と共生している過去の術師「天使」だ。

 天使は受肉した者たちを「受肉の過程で器の自我を殺し沈めている」として嫌悪し、彼らの一掃を目的としていた。中でも“堕天”と呼ばれるプレイヤーを狙っており、その殺害が叶えば虎杖らに協力するとしていた。

 ここで宿儺本人の口から、虎杖の中で「“堕天”は俺だ」とカミングアウト。なぜ彼が“堕天”なのか、なぜその事実を虎杖に教えたのかなどが不明なまま、伏黒の体を奪っての受肉へ進んでいた。

 天使自身も千年前の術師であり、生前の宿儺が生きていた時代とも合致する。実際、生前の天使は安倍家の精鋭の一員として、五虚将・日月星進隊が殲滅された後に宿儺討伐に挑んだという。

 宿儺が覚えているかは不明だが、少なくとも天使側は生前の宿儺と面識があるのは事実。天使が宿儺に挑んだこと、そして誰も敵わなかったことが事実なら、天使も生前の宿儺に敗れたことになる。

 可能性としてあり得るのは、あまりにも強すぎた生前の宿儺が“堕天”と呼ばれていたという線だ。

 天使自身、死滅回游のプレイヤーの中で受肉した過去の術師を狙っているのを「神の理に反する」としている。当人からすれば、異形の体を持ち天災とまで形容される生前の宿儺の存在自体、許されざるものだった可能性もある。

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