■「いたかったぞーっ!!!!!」20倍界王拳のかめはめ波を耐え抜いたフリーザ

 『ドラゴンボール』で最強クラスの強敵といえば、魔人ブウや完全体セルというイメージがある人も多いだろうが、やっぱり「フリーザ編」のフリーザも外せない。十分に強い部下たちも逆らえず、あのベジータでさえ恐怖を感じる“宇宙の帝王”だ。

 3段階の変身でパワーアップしたフリーザは、さしもの悟空も脱帽レベルの強さ。界王拳を使いながら攻撃を繰り出してもケロッとしているほど。

 このままではラチがあかないので、悟空は界王拳を20倍まで引き上げることを決断。フリーザをパンチで吹き飛ばし、追尾しながらかめはめ波を繰り出した。しかしなんとフリーザはそれを左手だけで防いでしまう。

 絶望に満ちた目で悟空が「…………!!! く…くそったれめ……!!!!」というシーンは、読者の気持ちを代弁しているかのようであった。もはや体もボロボロの悟空に対し、「いまのは いたかった…」「いたかったぞ――っ!!!!!」と、怒り心頭のフリーザ。

 これまでどんな強敵も倒してきた悟空だが、さすがにこのときのフリーザほど「これは勝てない」と、思ってしまった読者は多いだろう。その後、フリーザは元気玉をも耐え抜く。

 最後の“超えられない壁”という点においては、最高の敵キャラだったのではないだろうか。

 

 ほかにもベジータの猛攻を防いだ「リクーム戦」や、超サイヤ人でも勝てなかった「人造人間・セル編」など、『ドラゴンボール』には絶望を感じる戦いが多かった。ただ、最終的に「悟空ならなんとかしてくれる」と思えてしまうのが、本作の最大の見どころともいえるだろう。

 新作『ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)』では、悟空のどんな活躍が見られるのだろうか。初心に戻って楽しみたいものだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3