2024年10月11日から放送が開始された、完全新作アニメ『ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)』(原作:鳥山明さん)。作中、懐かしい名場面が続々登場した第1話の放送終了後、SNSを中心に盛り上がりを見せており、今後の展開がますます楽しみである。
筆者はリアルタイムで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて本作を読んでいた世代だが、たくさんの冒険やバトルシーンに毎週心が躍ったもの。主人公の孫悟空をはじめ、どんどん強くなる戦士たちにはワクワクさせられたが、なかにはとてつもない強敵の登場で「この先どうなるんだろう……」と、絶望を感じたシーンもあった。
今回は、そんな強すぎる敵キャラの登場に絶望した『ドラゴンボール』のシーンを振り返ってみよう。
■まさかの悟空が連敗! みんなやられて本当に絶望「ピッコロ大魔王編」
第22回天下一武道会で天津飯が優勝を決めたあと、クリリンが殺されるというかなりショッキングな事件が起こる。これは、天下一武道会の参加者名簿と悟空が所持していたドラゴンボール(四星球)を強奪しにきたピッコロ大魔王の部下・タンバリンの仕業だった。
クリリンの亡骸を見て怒り狂った悟空はタンバリンのあとを追いかけ戦闘に入るが、激戦後で空腹状態だったこともあり、あっさりとやられてしまう。クリリンだけでなく悟空までもが敗北するなんて、かなりショックな出来事だった。
作中ではそれ以前に桃白白にも殺されかけた悟空だが、しかし今回の場合は、ボスキャラ・ピッコロ大魔王の“ただの手下”のタンバリンが相手である。ピッコロ大魔王はどれだけ強いんだと嘆かずにはいられなかった。
そして、ヤジロベーと出会い、空腹も満たされた悟空はタンバリンとの再戦ではあっさり勝利。だがその後のピッコロ大魔王との対決では苦戦し、渾身のかめはめ波も通じない。挙げ句の果てにピッコロ大魔王が放ったエネルギー弾が直撃し、一時は心臓が止まってしまうほどのやられっぷり……。驚異の生命力で息を吹き返したとはいえ、胸にかけていた四星球も奪われ、絶体絶命のピンチは変わらない。
さらに、絶望は続く。ドラゴンボールをかけてピッコロ大魔王に戦いを挑んだ亀仙人の魔封波が失敗し、まさかの死亡。さらに、神龍を呼び出したピッコロ大魔王の隙を狙って「ピッコロ大魔王をこの世から消してくれ」と餃子が願いを言おうとするも、これも失敗し、死亡……。
そんななか、遂に若返りを果たし、さらにパワーアップしてしまったピッコロ大魔王。国軍を相手にしても容赦なく、国王がいるキングキャッスルを難なく制圧。希望を打ち砕かれるシーンのオンパレードで「この先どうなるんだろう?」と、子ども心にヒヤヒヤしていたことを覚えている。
その後、カリン塔に登った悟空が超神水を飲み究極のパワーアップを遂げ、最終的にギリギリの差でピッコロ大魔王との再戦に勝利することとなるのだが、最後まで分からない展開に絶望感が凄まじかったものだ。
■ちょっと本気を出したナッパによって腕が切断された天津飯
「サイヤ人編」で凄まじい強さを見せたのが、ベジータと共に地球に降り立ったナッパだ。その前に登場する悟空の兄・ラディッツも相当強かったが、ピッコロや孫悟飯、クリリン、天津飯、餃子(チャオズ)といった面子で挑んでも勝てなかったのが彼である。
地球屈指の戦士たちを相手にまるで遊んであげているような余裕すら見せており、何度攻撃してもまったく倒せない。タフガイすぎるだろう……。
なんとか栽培マンたちを退けたピッコロらを相手に、満を持して構えをとり、力を込めて「はああああ……」と気合を溜めていくナッパ。大地が震え、見るからにやばそうな雰囲気だ。
「どいつからかたづけてやるかな…」と吟味をし、狙いを天津飯に定めたナッパは凄まじいスピードで向かっていき右腕を振り下ろした。すると、攻撃をガードした天津飯の左腕がスパッと切断……!
手刀ではなく拳で斬るなんてとんでもない威力だ。しかも、あの天津飯がガードすらできないなんて……この一撃だけで底知れぬ強さが想像できてしまう。さらに横で見ているベジータは「ふん…もろいやつらだ……」なんて言っているし、「サイヤ人ってどんなレベルなの?」と、震えた読者は筆者だけではないだろう。
さらに、命を懸けた餃子の自爆にも耐え、天津飯の繰り出した気功砲もまるで効かない。悟空がいないとはいえ、あのメンバーを相手に圧倒的な実力差を見せたのは凄すぎる。
だが、そんなナッパですら怯えるベジータが後ろに構えているこの状況。本当にこのあとどうなるのか、先が読めなかったものだ。