■血を抜き取り人々を殺める現代の“吸血鬼”…「吸血鬼伝説殺人事件」星野真里

 2005年に放送されたスペシャルドラマ版では、「KAT-TUN」の亀梨和也さんが、三代目“金田一一”を継ぐこととなった。

 スペシャルドラマとして放送された「吸血鬼伝説殺人事件」では、吸血鬼伝説が残る山間の廃村のペンションに宿泊した一と美雪が、血を抜かれた死体を発見したことで事件へと巻き込まれていく。

 本作は、初めて一が難事件に立ち向かうシチュエーションもさることながら、ヒロイン・美雪が“吸血鬼”の疑いをかけられるという珍しいパターンで事件が展開していく。

 吸血鬼を彷彿とさせるおぞましい手法で人々が殺されていくこの事件において、真犯人・湊青子を演じたのが、『さよならみどりちゃん』、『空気人形』といった数々の映画でも活躍している星野真里さんだ。

 青子はペンション「ルーウィン」のスタッフであり、普段は気が利く明るい女性なのだが、実はその胸中には激しい復讐心を宿していた。そして、きっかけとなったかつての事件になぞらえて被害者たちから血を抜き取っていく。

 素性を明かしてからの凄味のある星野さんの演技は、復讐に燃える青子が抱えた闇を見事に表現していた。親切なペンションのスタッフでありながら、同時に人の血を抜き取る殺人犯という強烈なギャップにはぞくりとさせられてしまう。 

 

 世代ごとにさまざまなキャストが起用される『金田一少年の事件簿』だが、あらためて見てみると、実に意外な女優たちが殺人犯として活躍していることに驚かされてしまう。

 ときに美しく、ときに残酷に立ち振る舞う彼女たちの姿を、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。

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