■娘の目の前で少しずつ噛みちぎられ死んだ「カヤの母親」

 ウォール・ローゼ内に突如現れた巨人に襲われ亡くなったカヤの母親。兵士でない彼女の最期は、非常に痛ましいものだった。

 アニメ第27話「ただいま」。ウォール・ローゼ内に複数の巨人が出現し、足が不自由だった彼女は娘・カヤとともに村に取り残される。そして、カヤの母親は娘の目の前で巨人に食べられてしまうことになった。

 カヤの母を襲った巨人は、人間の家に入ってこられるような体長数メートルしかない小型の巨人であった。ひと噛みして丸のみする中型巨人の食べ方とは違い、小型の巨人は襲った人間の体を抑えつけながら少しずつ噛みちぎりながら食べるのだ。

 のちのカヤの証言によれば「お母さんはずっと生きていたまま食べられてた 次第に声も上げられなくなった 声が出なくなるまで叫んだからだと思う」と。体を噛みちぎられる激痛のなか、次は娘の番だと絶望しながらの死だったに違いない。

 しかしその後、娘のカヤはサシャ・ブラウスによって助けられる。そのことだけがせめてもの救いとなった。

■当然の報い? 巨人化したアルミンに食べられた「ベルトルト・フーバー」

 エレンと同じ第104期訓練兵団卒業、調査兵団所属のベルトルト・フーバー。その正体は、ライナーやアニとともに壁内に侵入したマーレの戦士。そして、壁を破壊し人類を巨人の脅威に晒した張本人・超大型巨人である。

 シガンシナ区での決戦では、巨人化による爆発によりハンジ班をほぼ全滅させ、エレンたちを追い詰める。しかしアルミンとエレンの決死の作戦に敗れ、巨人体の中から引きずり出されることになった。

 アニメ第55話「白夜」にて、ベルトルトは気を失っている間に四肢を切断され、目覚めたときには巨人化の薬を打たれたアルミンによって食われる寸前だった。

 その窮地に思わず、近くにいたかつての仲間たちエレンらに助けを求めてしまうベルトルト。もちろん彼らがベルトルトを助けるはずもなく、最後はアニとライナーの名前を泣き叫びながら、巨人化したアルミンに食べられてしまう。

 これまでベルトルトがやってきたおこないからすると、彼の死は当然の報いだったのかもしれない。しかし壁の外、海を越えたマーレ国での立場を考えると、どんな選択肢があったのだろうか。そのことを考えると彼の悲惨すぎる最期は、非常に悲しいものに感じる。

 

 今回は『進撃の巨人』で、自分だったら絶対ヤダと思う「あまりに悲惨すぎる最期」を紹介してきた。

 『進撃の巨人』の世界では、このほかにも多くの登場キャラクターたちが悲惨な最期を迎える。彼らの死の瞬間は、壮絶すぎるがゆえに目を背けたくなるものばかりだ。しかし、その圧倒的なシーンが視聴者や読者に強い印象を残し、本作をさらに唯一無二のものにしていたように思う。

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