■ロビンマスクのけなげな人間妻

『キン肉マン』において作中屈指の人気超人といえば、ロビンマスクがその一人として挙げられる。アリサ・マッキントッシュはそのロビンマスクの妻として4巻で初登場。彼女は人間の女性であり、人間と超人が結婚しているという意外な一面が描かれた。

 1回目の超人オリンピックの決勝で、明らかに格下と思われていたキン肉マンにロビンマスクは敗北。ロビンマスクを応援していた英国ファンの失望は大きく、表彰式に物が投げ込まれるなど暴動寸前になってしまう。

 そんなロビンマスクを庇うように登場したのがアリサだ。試合前に決められたルールに従って、ロビンマスクは国外追放に。放浪の旅に出ることになるが、妻のアリサも同行した。しかし、なおも過去の栄光を引きずるロビンは、途中でアリサを置いて旅立ってしまう。

 それでもアリサはロビンマスクを心配し、彼の行方を追っていたのが実に健気である。

 そして2人が再会を果たしたのは、正義超人対悪魔超人の対抗戦で、ロビンマスクとアトランティスが対戦していたときである。

 このとき正義超人たちは悪魔超人によってバラバラにされたミートくんの体を取り戻すために戦っていた。ロビンマスクはロビン戦法を駆使し、戦いを有利に進めるが、アトランティスがミート君の足を人質とした卑怯な手段に出たことにより水中に飛び込む。

 そして水中からロビンマスクの顔が出てきたとき、ロビンの勝利を確信して喜んだアリサは声をかけるが、その後アトランティスが「ケケケー」と言いながらロビンのマスクだけを持って水上に現れたのである。

 ロビンのマスクを手にしたアリサが「やっとあえたのに…こんな無惨な姿で再会するなんて…」と涙をこぼすシーンは忘れられない。

 その後、キン肉マンが怒りを力に変えてロビンマスクの必殺技のタワーブリッジを出したシーンは胸熱であった。

 以上、3名の女性キャラを振り返ったがいずれも魅力的な人物ばかり。その他、コミックス第2巻に登場したミートの姉のミディアム・レアーやカルビ・レアーといった女性キャラなどもいるが、やはり非常に少ない。

『キン肉マン』は超人同士の激しい戦いを描く漫画だ。時に流血や死といった刺激的なシーンが描かれるため、女性超人を戦わせ、キャラの流血や死を描きたくなかったというゆでたまご両氏の思いがあったのかもしれない。

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