車田正美氏が描く『聖闘士星矢』には、“死んでも死なないキャラ”と言われる人物が存在する。それがフェニックス一輝である 。
フェニックス一輝は青銅聖闘士の主要メンバーの1人であり、鳳凰星座を守護星座に持つ男だ。死んだかのように見えた戦いでも、その名の通り不死鳥のごとく蘇る。そして、ここぞという時に登場し、仲間である青銅聖闘士たちを救う場面も多いのだ。
そこで、作中でフェニックス一輝が一番多く助けたメンバーは誰なのかをあらためて振り返ってみた。なお、本記事では1989年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)に掲載された「ポセイドン編」までの内容を取り上げている。
■救ってもらったシーンは4回! もっとも助けられたのは主人公のペガサス星矢!
結論から言おう。フェニックス一輝にもっとも命を助けてもらったのは、主人公の“ペガサス星矢”である。さっそく、星矢が一輝により助けられたシーンを振り返ってみよう。
1度目は「戦え!女神のもとでの巻」で、星矢と城戸沙織が烏星座ジャミアンから逃げるため、崖から飛び降り星矢が大怪我を負ってしまったピンチのシーンだ。颯爽と現われた一輝が星矢を担ぎ上げて助け、その後クールに白銀戦士たちと戦っている。
2回目は「シャカ!神に近い男の巻」にて。星矢ら青銅聖闘士はシャカの天魔降伏を受けて瀕死の状態になる。しかし、“ゴゴゴゴゴォォォン”の音とともに一輝が登場し、シャカと対決し星矢たちを救うのだ。
3回目は 「ジェミニ!ふたつの顔を持つ男の巻」で、ジェミニと戦い瀕死になる星矢。とどめの一撃をジェミ二が繰り出した瞬間、またしても一輝が駆けつけて助けるのだ。
そして4回目は「その名はサガ!の巻」より、一輝はサガの攻撃を自分の体を盾にして星矢を守り抜いている。ちなみにこの戦いで一輝の体は消し飛んだはずだが、その後のポセイドン編「怒りの報復の巻」では何事もなかったかのように復活している。
やはり王道少年漫画では主人公がピンチに陥っても、ここぞという時に仲間が助けてくれるシーンが重要なのだろう。星矢を助ける時の一輝は、いずれも敵から「フェニックス一輝!」と驚かれ、バーンと輝かしく登場している。主人公を助ける影のヒーローらしく、カッコいい登場シーンも印象的だ。
■弟の瞬も助けられるシーンは多い! なんだかんだ弟想いのアニキ
星矢の次に3回にわたって一輝に助けられているのは、“アンドロメダ瞬”だ。
青銅聖闘士は全員兄弟だったという衝撃的な事実があるが、それを彼らが知ったのはある程度成長してからだ。しかし一輝と瞬は生まれた時から本物の兄弟として育っているため、その絆は強かった。
瞬が一輝に助けられた1回目のシーンは「双子座の幻影の巻」で、瞬がジェミニの攻撃アナザーディメンションを受けて異次元に飛ばされそうになった場面だ。一輝はデスクィーン島にいながらジェミニの頭脳にショックを与えて瞬を助けるという、とんでもない技を繰り出している。
2回目は星矢が助けられた時と同様、シャカの天魔降伏を受けた時だ。一輝はシャカと対し究極の小宇宙・セブンセンシズを繰り出し、瞬たちを助けた。
そして3回目は、ポセイドン編「怒りの報復の巻」より、瞬がリュムナデスと戦い瀕死に陥った場面でのこと。一輝はそれまでサガとの戦いにより宇宙の塵になって死んだはずだが「フェニックス一輝!! 地獄の果てよりまたもや舞い戻ってきたわ!!」のセリフとともに、堂々と復活したのである。
一輝は少年時代にデスクィーン島の修行により人の心を失い、一時は瞬たちと敵対する立場にあった。それでも瞬がピンチの時は“大丈夫か!”などと言って駆けつけており、なんだかんだいっても弟想いの良いアニキだと言えるだろう。