尾田栄一郎氏による海洋冒険漫画『ONE PIECE(ワンピース)』には、特徴的な地域がいくつも登場。シャボンディ諸島のように巨大マングローブとシャボン玉が見られる島や、シッケアール王国跡地のように名前がそのまま島の気候を表しているユニークな場所もある。
そんな中でひときわ異彩を放つのが、「女ヶ島」と呼ばれる島だ。この島にある国家「アマゾン・リリー」は、ルフィがバーソロミュー・くまに飛ばされた先にあった国で、島民は全員が女性。外界で子を宿し、島に戻って生まれてくる子も女の子ばかりで、男子禁制という規律が数百年も続いている。
当然、同国を治めるのも女性の皇帝だが、歴代皇帝はいずれも驚くような経歴の持ち主ばかりだ。そこで今回は男子禁制の国「アマゾン・リリー」を統治してきた個性豊かな歴代皇帝を解説していこう。
■ルフィに恋焦がれる現皇帝にして海賊女帝!
アマゾン・リリーの現在の皇帝が、「ボア・ハンコック」だ。王下七武海にも名を連ね、“海賊女帝”の異名を世界に轟かせた人物である。
王下七武海に入るだけの実力者なのはいうまでもないが、世界一と謳われる美貌を誇り、その美しさは老若男女問わず、誰でも魅了するといわれるほど。
そして「メロメロの実」の能力者であり、その美貌に魅了された相手を石化する能力を有する。現在の四皇である“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチをして、「正直男ならお前の術にかからねェなんて不可能だ」と言わしめた強力な能力だ。
その当人の性格は超がつくほどの傲慢、高飛車、わがまま。基本的に誰であっても上から見下すような言動をとる。それでも国民から「蛇姫様」と慕われているのは、彼女のケタ外れの美しさと強さがあってのことだろう。
しかし、「ゴルゴン三姉妹」の長女でもあるハンコックは、天竜人の奴隷だった悲しい過去を持ち、背中に奴隷の証しである天竜人の紋章が焼きつけられている。
そんな彼女にとってトップシークレットである紋章を目撃し、眉一つ変えることなく接したのがルフィである。ルフィが天竜人を殴り飛ばすという前代未聞の事件の張本人だと知ったハンコックは、「恋煩い」を発症することになる。
かつての男嫌いはどこへやら、ほれたルフィのためなら協力を惜しまないハンコックは、まさに恋する乙女状態。何より、作中でルフィに明確な好意を寄せる“正妻”候補の筆頭であり、彼女の今後の活躍に期待したい。
■先々々代皇帝は、世界最強の海賊団の元船員?
アマゾン・リリーの住民の中で最年長の老婆、通称“ニョン婆”と呼ばれているのが「グロリオーサ」だ。
初登場時は最長老兼ご意見番的な立ち位置で、現皇帝のハンコックに対しても物怖じせず意見を言っていた。そんな彼女の正体は、アマゾン・リリーの先々々代の皇帝である。
ニョン婆が現役皇帝だった頃、ハンコックと同じように恋煩いを発症。意中の相手を追いかけて島を飛び出したという過去を持つ。
その後の経緯は不明だが、シャボンディ諸島にてシャッキーやレイリーと暮らしていたところ、ハンコックら三姉妹を保護し、島に戻っている。
作中における「恋煩い」とは、意中の相手と離ればなれのままだとやがて死に至る病だという。ニョン婆も皇帝時代に恋い焦がれる相手を追いかけて、島を飛び出したのだ。
さらに1096話にて衝撃の事実が明らかとなった。アマゾン・リリーを飛び出した若かりしニョン婆は、当時「世界最強の海賊」の名をほしいままにしたロックス海賊団のメンバーだったのである。
当時スタイル抜群の美女だったグロリオーサ(ニョン婆)は、バッキンガム・ステューシーと軽口を叩きあう様子が描かれていた。彼女が恋した相手とは、誰だったのだろうか……?