■正義超人としてキン肉マンのために命を捧げる!
「7人の悪魔超人編」ではスプリングマンによって殺されてしまったウルフマンだが、改心したバッファローマンの超人強度を受け取り、生き返ることとなる。
そして、6人の悪魔騎士が登場する「黄金のマスク編」。作中、正義超人の皆殺しを企む黄金のマスクによって正義超人たちのパワーが吸収されてしまい、そのままではみんな死んでしまう事態に陥る。
そこで、キン肉マンが本物の黄金のマスクを探すため一人で立ち向かっていく。銀のマスクによって生命維持装置のボールに入ることになったほかの超人たちは、キン肉マンの活躍を見守るしかない。
初戦のスニゲーターに苦戦したキン肉マンだが、なんとか勝利。しかし、試合後に超人強度がゼロになり倒れ、心臓が止まってしまう。
これに憤ったカナディアンマン。「チェ…キン肉マンのうすのろめ どうせ死ぬんなら 黄金のマスクを取り返してから 死にゃあよかったんだ!」と、まさかの暴言を吐く。これに怒ったジェロニモと口論になるのだが、ここで「みんなやめろー」と仲介に入ったのがウルフマンだった。
ウルフマンはなんと自らの生命維持装置のボールを破壊し、このままではバッファローマンに申し訳ないと、自身の心臓に「ズボ」と手を入れて超人パワーを取り出す。そして「一度捨てた命だ! うけてくれ キン肉マン!!」と、スクリーンに向かって放り投げた。
それが見事にスクリーン越しに届き、キン肉マンは復活を遂げる。ウルフマンは「これでよろこんで死ねる…」と笑みを浮かべ、勇気あるジェロニモにマゲをもらってほしいと頼む。そして、涙の断髪式を終えて力尽きた。
スクリーン越しであったが、ウルフマンの魂は確実にキン肉マンに届いたのだ。
ウルフマンはその後、黄金のマスクと銀のマスクによってもう一度生き返ることとなる。当時はキューブマン戦以来勝利もなくいろいろと言われていたが、「ウルフマンは強かった」ということでいいのではないだろうか。
彼がいなかったらキン肉マンは復活できず、物語は終わっていたかもしれない。立派な正義超人だった。
約32年の時を経て制作されたアニメ『キン肉マン』では、このウルフマンの声をケンドーコバヤシさんが務めることでも話題となっている本作。「完璧超人始祖編」での活躍が待ち遠しい。