“100万年にひとりの大器”と呼ばれた男…『キン肉マン』日本代表の超人「ウルフマン」は強かったのか?の画像
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 今年7月から始まったアニメ『キン肉マン 完璧超人始祖編』のシーズン1が最終話を迎え、舞台は鳥取砂丘へと移る。鳥取砂丘と聞いて思い出されるのが、「7人の悪魔超人編」で壮絶死したウルフマンだ。

 当時『週刊少年ジャンプ』(集英社)で原作を読んでいた人は、「始祖編」でのウルフマンの再登場に心痺れたことだろう。ウルフマンは回を重ねるごとに、ちょっと“かませ犬”的な存在になりつつあった。だが、初登場時の第21回超人オリンピックでは優勝候補だったのも事実だ。ここでは彼の強さに迫ってみたいと思う。

■モデルは昭和の大横綱! 優勝候補の一角として超人オリンピックに登場

 ウルフマンの初登場は「第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイト編」だ。超人相撲の横綱で鋼の肉体を誇るウルフマンは、きっちり予選から登場。昭和の大横綱・千代の富士 貢さんをモデルに描かれたというが、その眼光の鋭さはまさに千代の富士さんのようでたくましくカッコ良かった。

 連載当時、千代の富士さんといえば、子どもたちの憧れの存在だった。小柄な体格だったが、自分よりも大きな小錦さんや大乃国さんに果敢に挑んでいく姿に、手に汗握ったものである。

 さて、そんな大横綱がモデルのウルフマンは「100万年にひとりの大器」だと騒がれるほど注目株であり、ハラボテ・マッスル委員長より優勝候補の一角として挙げられていた。

 作中、テレビ番組に出演していたウルフマンは、キン肉マンに向かって「てめえは今日からゼイ肉マンと改名しやがれ」などと煽る。その番組を見て怒ったキン肉マンがテレビに向かっていくと、なんとウルフマンはテレビ越しに張り手を食らわせていた。

 思い返してみると、当初はシリアス系なのかギャグ系なのか、今一つ掴めないキャラだったな。

■キューブマンの顔面を六面体にする破壊力…凄まじいパワーを見せつける

 ウルフマンは第三次予選におこなわれた新幹線アタック競技(新幹線を押して滑走させ、その距離を競う)で、キン肉マンのバナナの皮攻撃に足を滑らせて最下位となってしまう。

 テリーマンが子犬を助けるため失格となっていなかったら、実は予選落ちだった。運も味方し最終予選を何とか勝ち抜いたウルフマンは、トーナメントでシード権を獲得する。

 初戦はキューブマンとの対決だ。「オレの頭の六面体をつくってみな」と煽るキューブマンに張り手で応酬するウルフマン。顔面を腫れ上がらせ、赤い部分は血マメ・青い部分は青タン・黄色い部分はウミと、六面体を無理やり完成させてしまう。

 これに怒ったキューブマンだったが、ウルフマンは荒技の“合掌ひねり”でリング外に投げ飛ばした。その後、キューブマンは観客席でボールにされてしまい、最後はおばあちゃんの傘でつつかれて空気が抜けて破裂……なんかいろいろ可哀想なヤツだったな。

 キン肉マンとの一戦は相撲での対決となった。キン肉マンはいきなり“ドロップキック”を浴びせ、“ブレンバスター”を仕掛けるのだが、ウルフマンはこれをうまくかわす。なかなかプロレス技術も高そうだ。

 その後、土俵際で粘るキン肉マンの顔面を六面体に腫れあがらせる“ルービックキューブ張り手”をお見舞いするなど、攻勢に出ていたが、キン肉マンの予想外の“火事場のクソ力”パワーで形勢逆転。

 焦ったウルフマンは「あっ! マワシの間からカワイイのが顔をだしとるぞ」と、あまりにも姑息な下ネタ戦法で優勢に立つ。だが、最後は“かんぬきスープレックス”で逆転負けを喫していた。

 まったく姑息な……いや、ある意味、勝ちに貪欲な横綱だといえよう。

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