■闇夜に潜むガンダム界の「忍者」
最後に紹介するのは、ゲーム『機動戦士ガンダム戦記』などに登場した「イフリート・ナハト」だ。「ナハト」とはドイツ語で“夜”を意味し、機体カラーは濃い紫系統でまとめられている。一年戦争で活躍したマ・クベが開発にかかわったとされる機体で、戦後は連邦軍に接収された。
夜間戦闘を主目的に開発され、ステルス性能に特化。強力なジャミング能力を持ち、敵のレーダーなどを欺き、排熱口やスラスターには熱探知を防ぐため工夫が施されている。
そして機体だけでなく、武装にまで熱探知されないためのアイデアを採用。当時ジオン軍のモビルスーツの近接武器は「ヒート・ホーク」や「ヒート・サーベル」が主流だったが、熱探知を防ぐために「コールド・ブレード」と呼ばれる実体剣を所持していた。
ほかにも「コールド・クナイ」という小型の投てき武器も装備しており、まさに忍者を連想させる機体となっている。
ゲーム内では、ジオンの残党軍「インビジブル・ナイツ」が、イフリート・ナハトを地球連邦軍から奪還。ジオン残党狩り部隊「ファントムスイープ隊」のパイロットが、「レーダーに映っていないぞ!」「何のセンサーにも反応していない!」と驚く場面があり、ナハトのステルス性能の高さがうかがえる。
ガンダム作品では、高火力機体によるド派手な活躍シーンも魅力的だが、その一方で忍者のような隠密行動に中二心をくすぐられる人も案外多いのではないだろうか。