■天津飯との絆にぐっときた…チャオズの自爆
最後はサイヤ人編でのチャオズの自爆だ。悟空とピッコロがラディッツを倒してから1年後にベジータとナッパが地球へとやってきた時、ピッコロたちはナッパの強さに絶望する。
ラディッツの強さを踏まえて、その場にいた全員が必死に修行をしてきたのに、あまりにも実力差があったからだ。それが分かったのはナッパが動き出してすぐ、天津飯が左腕を切断されてしまった場面。空中に逃げたにもかかわらず、強烈な一撃を食らい動けなくなってしまう……。
わずか数秒の出来事だったが、これを見ただけで読者もピッコロたちもナッパのケタちがいの強さに驚いた。そんな中、チャオズが取った行動が、ナッパの背後に回り込んで張り付いての自爆だった。彼が死ぬ間際、涙ながらに口にした言葉は、「さようなら天さん……どうか死なないで」だった。
あの時チャオズは、自分がこの中で一番役に立たないと判断したのだろう。だからこそ、殺される前に相討ち覚悟の死を選んだのかもしれない。大好きな天津飯を助けたい……。そういう思いももちろんあったはずだ。
しかし、チャオズの決死の覚悟も虚しくナッパは無傷で、再びその場の全員に絶望を与えた。天津飯はそんなチャオズの覚悟を受け取り、「おまえだけにさびしいおもいはさせんぞ……」と全力で気功砲を放つ。
残念ながらそれでもナッパを倒すことはできず、ふたりは悲しい死を迎えてしまった。それでもこの一連の流れは、ふたりの絆の強さを知られる味わい深い名シーンだった。
自爆シーンには感動のドラマが多い。死を覚悟して行動するその姿に、残された者への強い思いが感じられるからだろう。