冨樫義博氏の人気漫画『HUNTER×HUNTER』。その最新刊となる第38巻が、2024年9月4日に発売される。そして、約1年9か月ぶりとなる新エピソード・401話が10月7日発売の『週刊少年ジャンプ』45号に掲載されることが予定されており、ファンの間で大きな話題となっている。
現在、物語は「暗黒大陸」を目指すブラックホエール号が舞台となっており、船中でカキン帝国の継承者争いが行われる一方で、幻影旅団の結成秘話なども飛び出し、長年の謎が解明されている。
ここまで膨大な人数のキャラクターが登場してきた『HUNTER×HUNTER』では、その全容が明かされていないケースがほとんど。いったいどのような人物なのか、どのようなバトル能力なのかを刊行中のコミックスを読み返して考察するのはファンの楽しみのひとつだろう。
そこで今回は、同作の連載再開を機に、暗黒大陸編で明かされるかもしれない「残された謎」を振り返りたい。
■謎多き人物ジン=フリークスとその念能力
まずは『HUNTER×HUNTER』の中でも、特に謎に包まれたキャラクターの一人であるジン=フリークスから。彼は同作の主人公ゴン=フリークスの父親であり、そもそものゴンの冒険の目的が「ジンに会うこと」だった。
会長選挙編にて、ゴンは無事にジンに会うことができたが、現在のジンは元ハンター協会副会長であるパリストン=ヒルの悪だくみを抑える役割を担い、暗黒大陸をめざしつつ、彼を監視している立場にいる。
その強さや念能力の全容はいまだ謎に包まれたまま。ビスケがネテロ会長から聞いた話では、ジンは「念能力者として世界の5本指に入るほどの実力者」とされている。またコミックス第33巻でのパリストンとの会話では「オレの一人遊びかもしれないぜ?」と自信たっぷりに語るジンが印象的で、その圧倒的な強さを予感させる。
唯一、ジンの能力が垣間見えたのは、選挙演説中に食らったレオリオの念能力を即座に模倣したシーン。ジンは、襲いかかる敵を相手に、レオリオと同じ遠方に拳を放出する技を繰り出し撃退した。「打撃系の能力なら一回くらえば大体マネできる」と豪語しており、さらに応用力も抜群。レオリオの念能力を「触診」のように利用し、敵の位置を探知する技術を見せつけ、医者志望のレオリオからその能力が生まれた背景まで予想して語ってみせた。
また、パリストンに「ボクに見られてて大丈夫ですか?」と挑発された際にも「問題ねーよ」と余裕を見せており、その自信からも、ジンの念能力がどれほどの規模と力を持つのかは底知れない。連載再開後の、ジンの登場も楽しみのひとつだろう。
■ゴンやジンの先祖? ドン=フリークスの謎
次に取り上げるのは、暗黒大陸に関する大きな謎の一つである「ドン=フリークスの存在」。
第33巻で明かされた、暗黒大陸に関する著書『新大陸紀行』は、ジンいわく、300年以上前に「ドン=フリークス」なる人物が書いた書物だという。この書物は「東編」が現存しており、「西編」はまだ発見されておらず。ジンは、西編を今でも暗黒大陸で「書いている」可能性もあるのではとしている。
「ドン=フリークス」という名前からジンやゴンとの関係が連想されるが、その正体は依然として謎のまま。もし西編が今も執筆中であるならば、ドン=フリークスは300年以上生き続けているということになる。
現在、物語はクラピカを中心に動いており、主人公であるゴンは未登場が続いている。もしも大陸上陸時にドン=フリークスが登場した場合は、ゴンが再びメインで活躍するときだろう。『HUNTER×HUNTER』の世界観がさらに広がり、未解決の伏線がどう回収されるのか、ファンとしては期待が高まるばかりだ。