尾田栄一郎氏が手がける人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』は最終章に突入し、新たな局面を迎えようとしている。エッグヘッド編では、これまで明かされてこなかった謎が解明され始め、読者のあいだでも盛り上がりを見せている。
一方、いまだ解き明かされていない謎や伏線のなかには、麦わらの一味に関するものもあり、とくにナミの出自に注目する人も多いようだ。これまで、出生に関する情報がほとんど明かされてこなかったナミには、どのような秘密が隠されているのだろうか。
■常人とは思えない特別な才能の持ち主!
麦わらの一味の航海士を務めているナミ。「東の海(イーストブルー)」にあるココヤシ村で育ち、麦わらの一味に加わる前は、海賊専門の泥棒として詐欺まがいの手口で金品を強奪していた。そんなナミが泥棒に手を染めた理由は、ココヤシ村を支配していた海賊アーロンから村を買い戻すためだった。
だがナミは、アーロンが驚くほどの海図作成能力、航海士としての技術を有し、気候の流れを体で感じられるという特別な才能も併せ持つ。そんな稀有な能力を持ったナミをアーロンが手放すはずがなかった。その彼女をアーロンの支配から解放させたのがルフィたちであり、のちに麦わらの一味に加わることになる。
本職は航海士なので当初は戦闘能力が低かったが、ウェザリアで過ごした2年間のあいだに「魔法の天候棒(ソーサリー・クリマ・タクト)」という武器を得る。ウェザリアが誇る「天候の科学」を取り入れて強化された武器は、打撃武器として使えるだけでなく、天候にまつわるさまざまな攻撃を繰り出すことが可能。しかも元四皇ビッグ・マムが魂を与えた手下「雷雲のホーミーズ“ゼウス”」が、ナミの魔法の天候棒に宿ったことで、新世界でも通用する戦闘力を手に入れた。
■ナミの出生を示唆するような意味深な会話も…!?
ナミの幼少期については、すでに本編で語られているが、実は詳しい出生については大半が謎に包まれている。
ナミはオイコット王国の内戦の最中、血のつながりはないノジコとともに、元海兵のベルメールに保護された。その後ベルメールの養子となり、ココヤシ村で暮らす様子が描かれている。
だが、ナミの本当の両親がどのような人物なのかは現在も不明だ。そのためナミには隠された出自があり、それが古代兵器“ウラヌス”に関係しているのではないか……という考察も行われている。
その理由のひとつが、リュウグウ王国の王女しらほしと、ナミが初めて会ったときの会話だ。しらほしは「初めてお会い致しますのに……!! 何だかほっと致しますね」とナミに話し、ナミのほうは「境遇が少し似てるからかな…」と返している。
義母のベルメールをサメの魚人アーロンに殺されたナミと、同じく母親をサメの魚人ホーディ・ジョーンズに殺されたしらほし。たしかに、ふたりには意外な共通点がある。
それに加えて、海賊王ゴール・D・ロジャーとおでんが聞いた、海王類たちの「ぼく達の王が生まれるよ…」「遠い海でも生まれるね………2人の王がまた出会う日もクジラ達が喜んでいる」という会話がある。海王類たちは魚人族の姫であり、古代兵器“ポセイドン”の力を有して生まれた、しらほしのことを“王”と呼んでいる。
つまり、王のひとりはしらほしであり、しらほしが初対面ながらほっとする相手“ナミ”が、もうひとりの王ではないか……と考える声もあるのだ。しかも海王類たちが王と呼ぶ存在は、古代兵器の力を持つ人物の可能性があり、そうなるとナミも古代兵器なのではないか、という見方もできそうだ。