人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』では、主人公のルフィ率いる「麦わらの一味」が行く先々で格上の海賊たちと激突。幾多もの死線をくぐり抜けながら成長を続け、並みいる強敵を撃破していった。
しかし、そんな戦いのなかでルフィが壮絶なダウンを喫し、「もう立ち上がれないのではないか」と思わされたことは一度や二度ではない。そこで今回は『ワンピース』読者の目線で絶望し、「ルフィはもう終わった……」と感じさせられた衝撃のシーンを振り返っていこう。
■あまりも無惨な串刺し…
アラバスタ王女・ビビとの冒険や絆が描かれたアラバスタ編で、ルフィは、当時の王下七武海のひとり「サー・クロコダイル」と激闘を繰り広げた。
自然(ロギア)系の悪魔の実「スナスナの実」の能力を持つクロコダイルが、ルフィたちを海楼石でできた牢屋に幽閉するが、サンジのおかげで脱出に成功。アラバスタの首都・アルバーナへと向かおうとする。しかし、そこに突如クロコダイルが現れ、ルフィはひとり残って、仲間が逃げるまでの時間を稼ぐ役割を担った。
ルフィはゴムゴムの実の能力を駆使して攻撃をしかけるが、体を砂に変えられるクロコダイルにはまったく効かない。それでもなお、クロコダイルを挑発する元気はあった。
するとクロコダイルは、砂の刃でルフィの右腕の水分を奪い取り、干からびさせてミイラ状態にしてしまう。ルフィは、ユバの街に暮らす恩人からもらった貴重な水を飲んで右腕を復活させたが、クロコダイルはそのユバに向かって進む巨大な砂嵐を生み出した。
この暴挙に「止めろよ」「今すぐ…」と食ってかかったルフィだが、クロコダイルは左手のフックでルフィの体を串刺しに。そのまま宙吊りにするというショッキングな場面が描かれた。
胸のあたりをフックで貫かれたルフィはもはや瀕死状態だったが、さらにクロコダイルはルフィの体を流砂に沈め、生き埋めにしたのである。
それでもルフィはしぶとく生きており、何度もクロコダイルに戦いを挑んだが、この串刺し状態になったルフィを見たときは、「さすがに死んだ」と思った人が多かったのではないだろうか……。
現在クロコダイルは、ジュラキュール・ミホークや四皇になったバギーと手を組み「クロスギルド」 を設立している。今後の物語に彼がどのように関わってくるかも注目である。
■パシフィスタ&くま&黄猿の出現で一味が壊滅状態に!?
シャボンディ諸島では、“天竜人”チャルロス聖に暴行を加えたことで、麦わらの一味と海軍大将“黄猿”らとの戦闘が描かれている。
それだけでなく、バーソロミュー・くまを模した人間兵器「パシフィスタ」までもが何体も出現。強力なレーザー攻撃と鋼鉄製の体を持つパシフィスタに対して、ルフィ、ゾロ、サンジの3人がかりでようやく1体を行動不能にできるレベルだった。
そのうえ、さらに別のパシフィスタや戦桃丸、大将“黄猿”まで現れ、絶体絶命の状況に陥る。“冥王”レイリーと黄猿が会話をしている隙に、ルフィは仲間全員に逃げることを命じた。
あのルフィが「こいつらには勝てねェ」と逃げを選ぶほどの絶望的な状況で、そこに本物の王下七武海バーソロミュー・くままで登場。「ニキュニキュの実」の能力で、一味のメンバーが次々と消し飛ばされていくなか、ルフィは己の無力さのあまり「仲間一人も゛救えな゛い゛っ……」と号泣する。
その後、結局ルフィもくまの能力によって飛ばされ、麦わらの一味は全員バラバラの場所で2年間修練することになる。それが結果的に、麦わらの一味がそれぞれ力をつける期間になるのだが、このシャボンディ諸島で一時は「完全壊滅」に追いこまれ、ルフィの心までへし折った衝撃はすさまじく、絶望的なシーンとして読者の心に深く刻み込まれたことだろう。