■単色なので塗装は必須! 関節を動かそうとしてパーツを破壊…

 色付きが当たり前になった今と違って、当時は全パーツが同色だった『ガンプラ』。カラーバリエーションがないので、本格的に仕上げるなら、各パーツを塗装するしかない。

 そして、この「塗装」の行程がまた難関なのだ。当時の筆者にとっては一つ組み立てるだけで相当の労力を擁していたし、これに塗装を加えるなんて……もはやカオスな世界だった。

 しかし『ガンプラ』好きの兄に言わせれば、“塗装はプラモデルにとって当たり前”とのこと。ラッカー系の塗料を使って上手に塗装していく兄。そういえば、兄は絵もうまかったし、何かと器用な強者だった気がする。

 だが、この塗料がまた臭い……。換気していないと大変なことになるので、アパート住まいだった当時は、玄関の扉の隙間にかまぼこに使われているような板を挟みこみ、ずっと扉を開放していた。

 そういえば当時は、塗料に関係なくチェーンロックもせずに丸一日中開けていた。エアコンがない時代だったので仕方なかったのだが、今では考えられないほど不用心だな……。

 さて、のちに『プラモ狂四郎』でも指摘されているが、初期バージョンの『ガンプラ』は関節が動かない。これをなんとか動かそうとしてパーツが壊れてしまったこともあった。勝手に机の上でモビルスーツ対決をして、壊してしまったこともあったな。

 

 ファミコンが登場した1983年以降、『ガンプラ』の在庫が店内に置かれるようになり、箱が山積みになっていた。もちろん、買う人も多かっただろうが、品切れになるほどではなかった気がする。近所のプラモ屋では下のほうの箱が取れないくらいに積まれており、逆にお目当ての『ガンプラ』を探すのが大変だった。

 その後は、ファミコンショップに行くことが多くなり、なかなかプラモを買いに行く機会がなくなっていく。次にプラモ屋に頻繁に訪れることとなるのは、ミニ四駆が流行り出したころだった。

 そういえば『ガンプラ』のほか、『キン消し』『チョロQ』のコレクションで友人と競い合ったこともあった。何かと懐かしいものである。

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