江珠、梢江、ジェーン…戦う男たちにも負けない!? 『刃牙』シリーズの女性キャラが「圧倒的な強さ」を見せる名シーンの画像
『グラップラー刃牙』(秋田書店)第1巻

グラップラー刃牙』から始まる『刃牙』シリーズは、現在まで続く大人気シリーズだ。最強を目指す男たちの生き様を描いた作品として知られているが、実はその中で女性が「強さ」を見せたシーンもいくつかある。

 最強の格闘家たちにも負けない特別な「強さ」を見せた女性たちの行動には、思わずぐっときてしまう。そこで今回は、本シリーズで女性たちの「強さ」が描かれた印象的なシーンを振り返っていこう。

■勇次郎に牙をむいた刃牙の母親・朱沢江珠

 範馬刃牙が「地上最強の生物」こと範馬勇次郎の息子であるのは広く知られている。そして、母親である朱沢江珠(あけざわ・えみ)は勇次郎に異常なほど執着し、彼を喜ばせるために刃牙に幼少期から「英才教育」をし続けてきた。

 彼女は現代風に言えば「毒親」であり、中学生の刃牙に不良たちをけしかけたり、ヤクザの頭・花山薫と喧嘩をさせたりと、刃牙を強くするためには手段をいとわない。

 刃牙は母親に愛されたいという思いで、過酷なトレーニングをこなし、命がけで母の期待に応えようとしていた。そして、ついに勇次郎との一騎打ちに臨むときがやってくる。実力を考えれば、勇次郎に殺されるのは容易に想像がつく状況だった。

 その状況でも江珠は、刃牙に「お父さんを喜ばせなさい!!!!!!」という信じがたい言葉を送る。笑いながら涙を流すなど、はげしい葛藤を感じさせる表情をしてはいたものの、母親とは思えない振る舞いである。

 刃牙は江珠の言葉に応えるように果敢に挑んだが、最後は勇次郎の前に沈んでしまう。しかし、『グラップラー刃牙』172話「母だった」では、江珠は思いもよらない行動を取る。倒れた刃牙を見て彼に対する想いが爆発し、「あたしが相手だ!!!」と勇次郎に殴りかかったのだ。

 敵うはずもない相手に必死の形相で立ち向かう姿からは、最後の最後に「女」としての想いより「母」としての想いをとった彼女の覚悟がひしひしと伝わってきた。

 勇次郎はその姿を見て満足げな表情を浮かべ、江珠を全力で抱きしめる形で殺してしまうのだった。地上最強の生物に素手で殴りかかり、勇次郎にも「なんていい女なんだ………………」と認めさせた江珠。彼女の強さは、その後の刃牙にも大きな影響を与えていく。

■刃牙の最愛の女性!松本梢江

 刃牙の最愛の女性と言えば、松本梢江だ。彼女は刃牙の下宿先の大家の娘であり、当初は彼のことを心配する、高校生らしい可愛らしさが特徴のヒロインだった。「最強トーナメント編」では刃牙が命がけで戦う姿を前に、思わず目を背けるシーンも多く描かれている。しかし、ストーリーが進むごとに彼女の強さが浮き彫りになっていくのだ。

 まずは『バキ』110話「最愛」で、あの花山薫と対峙した時のシーンだ。刃牙に対し、“梢江にこだわらないのであれば女ならいくらでも用意する”と提案してきた花山。刃牙は当然激高するが、それ以上に怒りを爆発させたのは梢江だった。

 彼女は花山の前に立ち、「あたしのこと嘗めてンじゃん」などと言いながら彼のすねを何度も蹴り出したのである。筋骨隆々とした大男を華奢な女性がパンプスで蹴りつける姿はインパクトが強く、かなり印象に残った……。

 これには刃牙も「殺されちゃうぜ」と梢江を引き離すが、それに対し彼女は「最強を目指す本能なんてタカが知れてる 最愛にくらべたら最強なんて」と言い放つ。普通の人間ならまず震え上がってしまうであろう花山を相手にして一歩も引かない強さを見せ、刃牙と花山を圧倒していた。

『バキ』184話「勇気」では中国拳法の達人・烈海王にも、その強さを見せつけている。刃牙にとって史上最大のピンチともいえる、毒に侵された状態での中国大擂台賽出場を前に、梢江がついにブチギレたのだ。試合に出るように促す烈に、「ちょうしこいてんじゃねェよッッッ」と叫ぶ。このときの恨みがこもった表情がまた恐ろしかった……。

 そして、「おまえらの好きになんか させるかッ」と烈に向かっていき、殴り、蹴りまで炸裂させている。結果的には、その行動は刃牙に勇気を与え、彼が「毒を裏返す」ことにもつながる。

 他にも、あの勇次郎に「いい仕事をしているようだなお嬢ちゃん」と言わせたり、勇次郎と刃牙の親子喧嘩に割って入ったりと、刃牙の彼女にふさわしい「強い女性」としての姿を見せている。

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