尾田栄一郎氏による人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の世界には、さまざまな種族が登場。人間だけでなく、魚人族、巨人族、小人族など、それぞれが実に個性的だ。
そのなかには、ごく少数だけが生き残っている希少な種族もいる。彼らの存在自体が物語の根幹にかかわっている可能性もあり、気になった読者も多いのではないだろうか。
そこで今回は『ワンピース』の世界の謎にかかわってきそうな「希少種族」について振り返ってみよう。
■すでに絶滅? あらゆる環境に適応するルナーリア族
「ワノ国編」にて、その名が初めて出たのが「ルナーリア族」だ。百獣海賊団の最高幹部のひとり、「火災のキング」のみが確認されており、世界では絶滅した種族だと思われている。
一対の黒い翼を持ち、白髪に褐色の肌という見た目。そして背中から燃え盛る灼熱の炎がつねに噴出しているのが最大の特徴だ。
バリエーションに富んだ種族が登場する『ワンピース』においても、ひときわファンタジックなビジュアルをした種族といえるかもしれない。
同じ百獣海賊団のクイーンいわく、「自然界のあらゆる環境下で生存できる怪物」らしく、背中の炎が燃え続ける限りはいかなる攻撃も通さないという、鉄壁の防御力を誇る。
加えて、大昔には“神”と呼ばれていた存在のようで、元白ひげ海賊団のマルコは、白ひげから“赤い土の大陸”の上にある聖地マリージョアの場所に、かつて「神の国」があったことを聞いていた。また「赤い壁のその上に…発火する種族が住んでいました」という発言もある。
そんな逸話も残る、いかにも特殊な種族であるがゆえに、世界政府も捕縛を狙っており、存在を知らせるだけで1億ベリーの大金が支払われるという異例の扱いをしていた。
そしてルナーリア族は、数多くの種族が暮らすビッグ・マムの拠点「万国」にも存在しない。ワノ国侵攻時、キングに船を叩き落されたにもかかわらず、ビッグ・マムはすべてを許して自身の海賊団に誘ったことからも、その希少さがうかがえる。
いまだルナーリア族が絶滅した要因や、政府に追われる理由など、分からないことだらけだが、かつて神と呼ばれていたことも含め、物語の根幹にかかわってきそうな種族といえるだろう。
■世界の歴史を読み解くカギを握る三つ目族
元四皇のビッグ・マムこと、シャーロット・リンリンの実の娘であり、35女にあたるシャーロット・プリン。彼女の額には第3の目があり、「三つ目族」の血を引いている。
プリンは幼い頃、この三つ目が原因で周囲からイジメにあい、大人からは「怪物」と呼ばれ、生みの親であるリンリンですら「気味が悪い」というほどだった。
個性的な種族が共存する世界のなかですら、このような扱いを受けるのだから、三つ目族はよほど特殊な種族なのかもしれない。
そして三つ目族の「第3の目」が真の開眼を果たすと、「“万物の声”を聞く能力」と同じ力が得られると、ビッグ・マムはプリンに期待を寄せていた。
もしそれが本当なら、「歴史の本文(ポーネグリフ)」を読み解くこともできそうで、世界政府にとって不都合な存在になることは確実である。それに太古から生きているズニーシャのような生物から、過去に起こった出来事などの情報を聞き出せるかもしれない。
ただし、プリン自身は三つ目族のハーフであり、純粋な三つ目族と思われる父親はいまだに登場していない。現在のところ、作中に登場した三つ目族はプリンただ一人で、黒ひげ海賊団のヴァン・オーガーと、元海軍大将クザンが彼女を誘拐したのも、そのあたりが理由だと思われる。
プリンが真の開眼を果たしたとき、どのような能力を発現するのか楽しみだ。