■ 仲間がいたキグナス氷河、最も恵まれた修行はドラゴン紫龍
最後は、割と恵まれていたと思われる修行環境を紹介したい。キグナス氷河が修行をしたのは、寒さ厳しい東シベリアである。師匠のカミュは厳しいものの、ときに理路整然と物事を解説しており、氷河は聞いて学べることも多かった。
さらに氷河にはともに修行をするアイザックという友人もおり、師匠カミュと3人で楽しく談笑するシーンもあった。氷の上でケガだらけになるような修行は続くものの、アイザックと力を合わせながら学ぶ時間はそれほどつらそうには見えない。
そして聖闘士5人のなかでもっとも恵まれた環境下で修行ができたのは、ドラゴン紫龍である。彼が修行をしたのは中国の盧山五老峰であり、師匠は天秤座の黄金聖闘士として実力も名高い老師だ。
老師は見守って修行を教えるスタイルなので、理不尽な暴力はいっさいない。しかも修行当初から春麗という可愛い女の子が登場しており、紫龍は何かとサポートしてもらっている。
ときに紫龍は顔を赤らめながら春麗に花をプレゼントするなど、デートのような場面も。こんな修行ならむしろ楽しいのでは? と思ってしまうほどだ。
一応、紫龍も1年中外で体を鍛えるといった過酷な修行はしているものの、デスクィーン島の一輝に比べるとかなり恵まれた環境と言えるだろう。
このように修行先によってかなり環境には違いがあった聖闘士たち。デスクィーン島で修行をした一輝は一番の被害者とも言えそうだが、その厳しい修行ゆえ死んでも死なないキャラになった。
アテナや世界を救うための聖闘士になるには、幼少期から厳しい修行が必要なのだろう。『聖闘士星矢』は彼らの生い立ちや幼少期の修行シーンから、魅力が詰まった作品である。