■シリーズ屈指の悲惨なラストを迎えたサラリーマン

「長距離通勤」のエピソードもまた、恐ろしい『笑ゥせぇるすまん』を語るうえで外せない。家が遠いため、片道4時間の通勤をしているサラリーマンの長井道範に、喪黒は「日曜や休日絶対に家に帰れ、さもなくばとんでもない目に合う」という約束で、会社の近所に豪華なメイド付きのマンションを用意する。しかしある日、深夜まで飲み歩いた長井は日付が変わって休日になってしまったのに、うっかりマンションへ行ってしまう。

 あんなに豪華だった部屋はガランとしており、その後長井は喪黒によって行方不明にされてしまう。心配した会社の人が探すと、ロッカーの中でミイラ化した遺体となって発見されるというオチだ。

 身体中にアリがたかったその姿は、シリーズの中でも最も悲惨な最後だったといえるかもしれない。喪黒の所業の中でも群を抜いてひどい回である。

 どの話も人間らしい過ちで痛い目を見るという教訓があるにはあるが、視聴者にとっては突然のグロテスクな描写に驚かされる、まさにトラウマとしか言えないストーリーだった。

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