『ガンダム』作品において、「フルアーマー」といえば単に重装甲というだけでなく、火力まで兼ね備えた重武装化を指すことが多い。何かに特化した機体は目を引くが、「重武装(フルアームド)&重装甲(フルアーマー)」を高い次元で実現した機体は、それだけでワクワクさせられる存在である。
そこで今回は「フルアーマー」と名のついたガンダムのなかでも、桁外れのインパクトがあった選りすぐりの機体を振り返っていこう。
■武装ギッシリ! 重厚感あふれるフォルムも魅力
ただでさえ高火力な強化型ZZガンダムを、さらにフルアーマー化した機体が「フルアーマーZZガンダム」だ。
主役機のフルアーマーといえば、「フルアーマーガンダム」「フルアーマーガンダムMk-II」など「MSV」シリーズで存在は確認できたが、テレビシリーズでフルアーマー化が描かれたのは、アニメ『機動戦士ガンダムZZ』のフルアーマーZZガンダムが初である。
もともとマッシブなスタイルのZZガンダムにフルアーマーパーツを換装したことにより、全身のボリュームが増大。ガンダリウムγによる頑丈な装甲パーツに加え、ビームコーティングまで施されている。
このコーティングはビーム兵器を3秒間耐える設計になっており、作中ではドーベンウルフのビームを弾くような描写もあった。もはやビームコーティングの域を超え、Iフィールドを装備しているかのようである。
そして新たに装甲が追加されただけでなく、多彩な大火力兵器を備えているのも特長。大量の「ミサイル・ポッド」が装備され、作中でもミサイルで攻撃を行う場面があった。
またアニメ内には描かれなかったが、ハイメガキャノンとは別に、「ハイパー・メガ・カノン」という大型の追加武装も存在する。
ただし、装備てんこ盛りのフルアーマー化の代償として、Gフォートレスへの変形が不可能に。そのため熱核ジェットエンジン、ロケットエンジン、サブスラスターが合計44基も増設され、低下した機動力を補っている。
■まさかの「4枚シールド」が目を引く個性派フルアーマー!
「フルアーマーガンダム」といえば、「MSV」に登場した地球連邦軍のMS。だが『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では、サンダーボルト宙域での運用を想定した試験的な機体として「フルアーマーガンダム」が登場した。
その最大の特長は、4枚のシールドを同時装着できるという独特のスタイルにある。両腕の武装上部につく2枚のシールドに加え、サブアームによってさらに2枚のシールドが追加。これらのシールドは、スペースコロニーや艦艇の残骸が無数に漂うサンダーボルト宙域対策として装備されたものだ。
また、「MSV」版のフルアーマーガンダムの象徴でもあった、腕部2連装ビームライフルは、サンダーボルト版でも健在。さらに5連装ロケットランチャー、6連装ミサイル・ポッド、大型メガ粒子砲、内蔵型の小型ミサイルなど、1機のMSには過剰とも思えるほどの重武装を備える。そのうえ「MSV」版では廃止されたビーム・サーベルも装備しているので、近接戦闘にも対応可能だ。
フルアーマー化の泣き所である重量増加に対処するため、アポジモーターとロケットブースターが増設されており、高機動MSに匹敵する高推力を実現している。